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♯2 話題のニュースをちょっと話せるように ~日銀のマイナス金利解除~

皆様は最近の日経平均株価上昇のニュースをお聞きになりましたでしょうか。
日経平均株価は2024年2月22日に史上最高値を35年ぶりに更新し、3月4日には40,000円を超え、投資家の皆様は大きく盛り上がった(儲かった)時期だったんではないかなと思います。
一方で、最近の株価は落ち着いており、その背景に聞こえてくるのは3月18日に日銀が開く政策決定会合で「マイナス金利を解除する」発表がなされるおそれを警戒してという話です。
こういった話を周囲の方にしたところ、「なぜマイナス金利を解除すると株価が下がるのか」と質問されましたが、うまく説明できませんでした。
そのきっかけもあり、改めて金利と株の関係を調べてみましたので今回はそのお話をさせていただこうと思います。
金融業に勤めている方や詳しい方からしますと認識が異なる点もあろうかと思いますが、「あたかもはるか昔から知っていたかのように、できるだけわかりやすく人に説明できる」ということを趣旨としていますのでご容赦ください。

まず金利とはどういったものか皆様はご存じですか。いや馬鹿にするな、金利くらいは知っているわ。という方も多いと思いますので簡単に説明させていただきますと、金利とはお金の貸し借りをする際に、どのくらいの割合で年間に利息・利子が発生するのかを表すものです。例えば金利が5%の時にお金を100万円借りますと、1年後に105万円を返さなければいけなくなります。逆に、貸す側は105万円になって返ってくるということですね。
ここまでは皆さんご存じの話だと思いますが、次にマイナス金利とは何かについてお話していきます。日銀は2016年1月からこのマイナス金利を導入しています。
日銀の取引相手は個人ではなく、民間の金融機関(たとえばみずほ・三菱UFJ銀行・三井住友などのメガバンク)となりますので、マイナス金利の影響を受けるのは主に私たち個人が普段やり取りをする民間の銀行ということになります。
民間の金融機関からしますと一番安全なお金の預け先は日銀です。もし日銀が高い金利を設定してくれていれば、民間の銀行は日銀にお金を預けておけば、リスクもなく、高い利息がつきます。ただ今はマイナス金利となっていますので、金融機関が日銀にお金を預けることは引き出す時にお金が減って帰ってくるということになります。たまったものじゃありませんよね。
ではそうなると、金融機関がどうするのかといいますと、少しリスクをとっても民間企業や個人にお金を貸したり投資したりするほうが金利も得ることができ、得なので、積極的にお金を貸すよう、自社で設定している金利を下げるなどして企業・個人にお金を借りてもらうように促します。
企業はそのお金を新たな設備投資や開発資金などに充てることで、より良い・より多くの商品やサービスを世に出すことができますし、個人についてもお金を得ることで消費が活発化し、需要が拡大します。需要が供給を上回れば、価格転嫁もおこり、商品・サービスの販売単価(いわゆる物価)が上がり、そのおかげで企業業績も良くなるという流れが生まれやすくなります。それゆえに金利が低い状態は一般的には企業業績が良くなりやすい環境であり、株高になりやすいと言われています。
これが日銀の金利と株高の関係性ですね。金利を下げると株高。逆に金利をあげるとお金を借りにくくなって株安になるといわれています。
ここまで聞くと金利を下げることが経済活動を活発化させる良いことなので、なぜ金利をあげる必要があるのだと疑問に思われる方もおられると思いますが、昨今の物価上昇で消費に消極的になっている方もいらっしゃると思いますが、企業業績が良くなり、賃金に転嫁され、初めて消費は拡大していきますので、急激な物価上昇は逆に消費を抑制し、企業業績の悪化を招きかねないからです。企業からするとお金を借り、設備投資をして商品を開発または大量生産できるようにしたのに売れないのであればまずいですよね。
じわじわと物価上昇と賃金上昇が持続的におこることが一番理想の姿になりますので、物価上昇率と賃金上昇状況を見ながら、金利を変え景気動向をコントロールする。これが金融政策といわれるもののようです。

ということで日銀が3月18日・19日の政策決定会合で8年ぶりにマイナス金利を解除するのであれば、少し企業や個人の借入にブレーキがかかり、経済活動が少し減速するんではないかという見立てで、現在は株を買わずに様子見されたり、売ったりされたりする方が増えているので、様子見時期といえるでしょう。
もし個別株の投資などをされている方がいれば18日・19日の会合は要チェックですね!

どうでしょうか。今注目の日銀のマイナス金利解除に関しての知識が少しでも深まっていたら嬉しいです。あたかも自分で調べて知ったかのように会社や周囲の方に披露いただき、皆さんのコミュニケーションに少しでも貢献出来たらと思いお話をさせていただきました。もし、もう少しこんなこと知りたいけど、自分で調べるのが面倒だなというかたはコメントください。ミーハーな私が皆さんに代わって調べたいと思います。
投資に興味のある方はこれからも日本・海外含めての金融政策動向も要チェックしていきましょう!
これからも気になったニュースを素人視点で調べたものをまとめて皆さんに披露したいと思っていますので、それも併せてコメント欄で教えてください。
それではまた次の記事で。

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