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そろそろ「全国区」で話題になってないかな、オオトカゲ。な件。

国内でもトップクラスの規模を誇る、名古屋「東山動植物園」に新たな名物が誕生している。公開初日には地元ニュースで大きく取り上げられていたが、そろそろ全国的に知られるようになっていないかなと、このnoteを書いている。

東山動植物園は、現代の恐竜とも言われる「コモドオオトカゲ」の展示を始めた。世界最大のトカゲである。野生での生息数はなんと3500頭、完全な絶滅危惧種だ。当然希少性も高く、日本で飼育展示されているのはこの「東山動植物園」しかない。

この「コモドオオトカゲ」、名前は「タロウ」くんと言い、全長約2.7メートル、体重約50キロで13歳のオスだ。コモドオオトカゲはインドネシアのコモド島などに生息している。猛毒を持ち、大きな個体では全長3メートルを超えることから「コモドドラゴン」とも呼ばれている。

「コモドオオトカゲ」の誘致は2018年、河村名古屋市長がインドネシアの動物園「タマン・サファリ・インドネシア」を訪問したことが始まりだ。6年もかかったのはインドネシアからの誘致が難航したためだ。「一定の水準以上の飼育施設の完備」や「インドネシア政府からの許可」といった条件があったという。

では、何故今回誘致に成功したかと言えば、この「タロウ」くんはシンガポールからやってきたからである。なんで外国から来たのに名前が「タロウ」なのか?そこにはちゃんと理由があった。

「タロウ」くんはシンガポールで生まれたが、なんとその母親は日本の上野動物園で飼育されていた「コモドオオトカゲ」なのだ。実は「タロウ」くんの所有権は上野動物園にある。だから名前も日本風なのだろう。

繁殖のためのスペースを確保したいシンガポール動物園から、所有権を持つ上野動物園に「タロウ」を引き受けてほしい依頼があった際に、上野動物園が「ウチがコモドオオトカゲを飼育していたのは2008年までだし、今は受け入れるスペースがないよ」となったため、かねてより受け入れを表明していた東山動植物園に白羽の矢が立ったわけである。連絡を受けた東山動植物園は急遽ゴリラ舎を整備して「タロウ」くんを迎える体制を整え受け入れたのだ。

今後はインドネシアからも誘致できるよう交渉を続ける他、2027年完成に向けて飼育施設の整備を続ける予定である。いずれメスを迎えて繁殖を目指したいと東山動植物園は述べている。

「コモドオオトカゲ」も以前は多くの頭数が存在した。しかしながらコモドオオトカゲに噛まれて死亡する人がいたり、家畜が襲撃されるなどの被害もあり、所謂「害獣」としての側面があったり、農地開発や森林伐採による生息地の破壊、密漁などによりその数を減らしていった。御多分に漏れず「人間が原因」で数を減らした動物だ。現在は「インドネシアの国宝」としてインドネシア政府が保全活動を行っている。人間が減らしておいて、人間が必死になって保全しているという状況は、考えてみれば滑稽である。仕方ないことなのかもしれないけど。

ちなみに東山動植物園は、広さでいえば東武動物公園に次いで全国2位、入場者数でも年間230万人で上野動物園に次いで2位である。そして飼育種は全国1位、絶滅危惧種も130種いる。このnoteで何度か紹介しているように、入園料も安いし、動物好きのお子さんにはとても勉強になる施設だと思う。

日本ではここでしか見られない「インドネシアの国宝」、是非ご家族で来園されてはいかがでしょうか?

今日はここまで。

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