・私も…ですから〜(仕事の心がけ)
これから、お話しすることは誰にでも当てはまるという訳ではないとは思いますが、仕事に対してプライドを持ってある方は何らかの参考になればと思います。
いや、そうでもない方も笑。
明確な理由は説明できないが、「なんとなく、この人とは相性が悪いなぁ」と思う人っていませんか?(勿論、私にも他人に対してある場合も)
それも、「あなたとは一回もお話ししたことがございませんっ」って人から、何となく近寄ってこないというかですね。そういった方いませんか?
そんな方でも、私としては仕事を頂ければ、ありがたいですな、な立場ですので、、、そうでなくともトイプードル並に人懐っくオープン(飛行機に乗ると必ず隣の人に話しかけてしまいます笑)な私は、「世の中、そういう人もいるんだねー」と気にはしておりません。
ある時、あの日本で二番目に大きい広告代理店(皆様ご存知の、あの超大手ですね)の営業さんから、「話があるんですけど」と言われてですね。それが冒頭に書いた、まさにそういう方ででしした。
「厄介な話かも?」と思いながらも、「はいはい、何でしょう?」と。
そのお話というのが、5回もクラアントにデザインを持っていったが、ことごとく却下!さすがの大手でもっても白旗あげちゃってですね。「ワンチャン」なのか?ともかくデザイン修正なりして通して欲しいとのことでした。
別にですね。そんなワンチャン依頼なら断る理由もございませんし。その営業さんも、初めて私に仕事を依頼して、ワンチャン上手くいけば、私の優しさに気づいてもらえますしね笑。受注が増えるかもしれないから?「まぁ、そうですね笑」。そういったわけで渾身の笑顔を作り、二つ返事で「いいですよー」と快諾。
さて。まずは簡単に概要を説明しますね。
[仕事概要]
ークライアントー
・大手グループ病院
・関連病院数知れず、いずれの病院も大きい。
・老人介護施設なども経営。
・とにかく、とんでもない大手。
ー案件ー
・グループ全体のパンフレット(冊子)。
・新規事業拡張等の予定はない為に特に締切はなし。
ー経緯ー
仕事の依頼の後に、優秀なデザイン事務所に外注。クライアント(会長)より3回目でもアカが入ったので、他の優秀なデザイン事務所へ外注。それでも2回修正等を行ったが、クライアントはOKしないとのこと。この時点で、かなりの外注費の支払いと、無駄な時間、無駄なクライアント先との往復をしております…。無駄が多すぎて、ジョルノ・ジョバーナにバレたら怒られそうですね。これではキリがないと思った、その広告代理店の営業んさは、先に書いた通り私に依頼。
早速、パンフレットに目を通してみました。さすが2社の優秀なデザイン会社の仕事。正直、完璧ですよ笑。私が修正する余地もなしでございますね。
しかしながら、何もしない訳にはいけませんのでですね。差し障りのない程度に微妙に色味を変えてみたり、表紙のロゴの位置を変えてみたりと、5分程度で修正(といっていいのか苦笑)完了。
早速、営業さんにメール。返って来た返事は「もう、できたんですか!?」。あまりの早さに、この時点で恐ろしくガッカリされたかと思いますね笑。それで、「早速、取りに行きますから御社に向かいます」とのこと。そこで私は条件をつけました。「クライアント先に同行しますので、乗せて行ってくださいね」と。つまりは、私も同席するってことです。まぁまぁ、だいたい同席はしますけどね…だって、そうすべきですから。
はい。私に全く期待していないだろうな営業さんは笑、思ったよりも速攻で来られました。私は仕事はホールドしない人です。やるべき事をとっととやれば、ワークを溜め込む必要もないですからね。本当にありがたいことですっ。
クライアント先への道中は営業さんに話しかけても終始無言…いや無視ですね笑。無言、無視はご自由にですが、その営業さんに「私の話が終わるまで、絶対に黙っていてくださいね」と念を押しました。これが、私からの二つ目の条件ですね。「車内でかよ!」と思われたかもですね苦笑。ホンダのレジェンド。さすが「レジェンド様」。フラッグシップだけに静かだなぁと、私には快適な時間でございます。
到着しました。
無駄に広い駐車場。どのビル?いや、どの病院に会長がいるの?ってぐらいですね。敷地内だけでも3棟ぐらい建物があったと思います。
さて、職員専用ドアから小走りで階段をのぼり会長の部屋に直行です。
ご挨拶と名刺交換の儀式を終えて、早速、デザインを提出。念入りにチェックされておりした。会長と同席していた医院長のお二人は、「あーだ、こーだ」と訂正指示を。やっぱり……想定内笑。
全戯言。いや御意見を聞き終わったところで、私は説得、いや説明に入ります。
「えっとですね。指示通り、そこの色を変えたり、書体を変えたり大きさを変えたりしても構いませんよ。ただ、非常に失礼な言い方かも知れませんが、会長さんの『単なる好みの問題ですから』。わかりやすく広告心理学で(造語)で説明しますが、私がチェックした限りでも、きちんとした目線からの情報の誘導、綺麗な情報のまとめ、御組織のイメージに相応しい美しいデザインはイメージに…諸々。で、改めて言いますけどね。これ以上修正を重ねても構いません。でも、説明しました通り、修正をやればやるほど、このパンフレットはチープになっていきますよ。せっかくの読みやすいパンフレットを読みにくく、下手すれば立派な御組織に到底、相応しくないダサいデザインになります」
これだけでは終わりません。ここからトドメに入りますから。
「会長さんは医療の『プロ』ですよね。間違った治療をしたら間違った結果になりますよね。私は広告のプロです。間違ったものを作ったら何の効果も出ないどころかマイナスの結果が反映されて仕事は減っていきます。ですので妥協はしません。そういう覚悟で仕事に取り組んでおります。会長さんも同じだと思いますが?さてさて、いかがされますか?」
はい、あっけなく終了のゴングです。
会長「それで、お願いしますっ」
しなくてもいいデザインの修正5分、会長さん達の、お話し5分。合計ざっくり10分で、私のクリエイティブ?な仕事は終了。因みにクライアント先までの移動時間は、ざっくり二時間でした苦笑。
帰りの道中…。
営業さん
「すげぇですね!」
私
「ワンチャンと思っていたんでしょう?笑。『プロ』なら最短ルートで完璧に終わらせますよ」
格好いい私ですね、、、
営業さん
「実はですね。近々、会社を辞めるんですよ。違う職種なんですけど〜農機具のなんちゃら、かんちゃら」
私
「えー!意外ですよ。ワンチャン成功できたらいいですね笑」
営業さん
「今回みたいにですね」
…。