見出し画像

ポーカー世界旅行 《コスタリカ新編》 【#33】

師の突然の訃報。自由論と決定論の狭間で 11/14(mon.)

「カジノで一ヶ月ポーカー生活」の【第六話】が公開されましたので、ぜひご覧ください。

無眠のまま、メキシコシティからサンホセへ 11/13(sun.)たぶん同い年(?)の哲学者・高崎将平さんが書かれた自由論の入門『そうしないことはありえたか?』を読んだ。

因果的決定論によれば、私たちの身の回りに起こる全ての出来事や私たちの行為は、直前に生じた出来事によって生じる必然的な結果である。言い換えれば全ての出来事は、その直前に起きた何らかの出来事によって因果的に決定されている。その因果関係はビッグバンにまで遡ることができるから、突き詰めればいまの世界の全状態はビッグバンが起きたときから因果的に決定されていたことになる。

因果的決定論は運命論と同様、かなり途方もない主張であるように思われる。しかし因果的決定論の厄介なところは、運命論とちがって、「そんな考えが正しいはずがない」と即座に切り捨てることが難しいことにある。というのも、因果的決定論の背景にある科学的世界観は、私たちの日常的なものの見方にあまりにも深く浸透しているからだ。

物語をスルスル読み進める読書とは対極の、厳密な論理的手続きを踏んでいく分析哲学の重厚だけど鋭利な読み口が個人的には心地よかった。一見、正解のないような哲学のテーマに、プロはどうやって立ち向かうのか。その理論構築と言語化作業を支える探究心に頭が下がる。

昨晩無眠でメキシコからコスタリカまで移動してきたので、夜の早い時間に床に入り、ガッツリ13時間ほど寝る。起きてから、ダウンタウンまで散歩して、スタバで朝食を買う。

にしても、カジノホテルは心の底から便利だと思う。部屋からポーカールームまで10秒で行ける。お金に余裕さえあれば、毎度カジノホテルに泊まりたい。今回はご好意に与り、マネージャーの方に交渉して、宿泊費をまけてもらった。

ホテル前の看板。その時までコスタリカにいるのかは不明だけれど、W杯「日本vsコスタリカ」を、逆にコスタリカで観たら面白いかも。

前編に引き続き、日経テレ東大学の村上由美子さんの回が完全なる神回だった。経歴が華麗すぎるってのはさておいて、これだけ経済の話をパワフルかつ平易に語って、聞き入れさせるのってとてつもない。

後半で語られていて、アメリカ国内の人材の超絶ギャップは自分も実体験があるので心の底から共感した。超絶エリートと社会の底辺の人のケイパビリティの差があまりにも大きい。翻って、日本はボリュームゾーンである中間層の平均知力が高い。これを可能性と捉えるのか、だからこそ同質性が高く出る杭を打つ文化につながっているマイナスポイントと捉えるのか。一考に値する論点だと思う。

午前中、ケニアにいる河野さんとつなぎ、お互いの近況を報告する。河野さんがケニアで経営するスタートアップのMVV周りの壁打ち相手としてお話をうかがう。早くケニアに戻って皆さんに会いたいところだけれど、年明けに韓国へ行くことが決まっているので、渡航ロスを考えて、実際に行けるのは来年以降になりそう。

問題はコスタリカの後、来年一月までの空白期間である一ヶ月のムーブをどうするか。メキシコで聞いた「ポーカーはパナマとかコロンビアがいいぞ」という情報を頼りに当地を攻めるか、日本へ一時帰国するか。はたまた、韓国へも行きやすい、かつ暖かい東南アジア(タイ or ベトナム)で時間を潰すか。しばし少考しつつ、コスタリカで当分過ごす予定。

午後5時頃ポーカールームへ行くと、まだキャッシュゲームの卓が立っていなかったため、ゲームが始まりそうになったらホテルの部屋に電話をくれと、部屋番号を伝えておく。

と、いうわけでコスタリカにてポーカー事始め。まずは一週間分のホテル代を稼ぎたい。ここのカジノはソフトドリンクだけ無料で、お酒や食事は有料。とりあえず$200バイイン。

序盤、A,Aがフロップでぶっ刺さり、バリューがないよなと思っていたら、ガッと滑りの相手は特大のブラフオールイン。スナップコールでまず、スタックを倍増させる。その後も、なぜかA,Aが4回くらい入って、しっかりと増やす。結局、朝の4時頃までプレーして、目標のホテル代一週間分をゆうに越える勝ち額を確定。あまりにも幸先が良すぎる。

ケニアにいる中国人の友人から、あまりにも悲しい訃報が届く。自分がケニアに行ってから一番お世話になった師であるジェイソンが逝去した、と。いまだに実感が湧かない。ついこの間、ラスベガスにいたときに、電話した際はあんなに元気そうだったのに。死に予兆はなく、あまりにも突然、その命は失われた。

去年なんかは、一緒にオーガナイズしていたポーカーテーブルを辞めてから、二人でナイロビからラム島まで長距離ドライブで旅をしたばかりだった。ジェイソンは自分のことを弟子として、子供として、戦友として、ビジネスパートナーとして、あたたかくかつフェアに接してくれた。いまはとりあえず、手を合わせて、感謝を天に飛ばすこと以外にできることがない。

ライブキャッシュで生きていくため、ポーカー以外で必要な項目 11/15(tue.)

ここから先は

5,694字 / 15画像
この記事のみ ¥ 500

ケニアで無職、ギリギリの生活をしているので、頂いたサポートで本を買わせていただきます。もっとnote書きます。