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『言葉の温度』

【言葉の温度】イ・ギジュ 著  米津篤八 訳
※Instagramに投稿した内容をそのまま投稿しています。

 僕がこの本を読もうと思った理由は、純粋に前著【言葉の品格】がとても面白そうだったからまとめて手に取りました。
 【言葉の品格】は実際読んでみると、とても面白くて言葉について学びたい僕にぴったりな一冊でした。

 この本もエッセイで構成されていて、著者のイ・ギジュさんが実際に体験した物語をひとつひとつ取り上げて、言葉の温度について綴られています。

 彼はソウル経済新聞などで社会部・経済部・政治部記者として勤務していたこともあり、一言でいうと"言葉のプロ"だ。
 実際、プロ意識もかなり高いのか、いろいろな映画を取り上げて詳しく綴られたり、我が国日本の情勢にもすごく詳しくてとても感心してしまいました。

 この本では、数多の言葉遊びがあるのですが、僕は「本当の謝罪は痛みを伴う」という話の中に登場する著者が経験した出来事が1番好きです。

 著者イ・ギジュさんが記者をしていたころ、先輩とささいなことで争って仲違いしたことがあるそうです。

 関係がこじれる前は気のおけない間柄だったのが、プライドのせいか自分から先に過ちを認めようと著者もその先輩もしなかったようです。

 そんなある日、偶然に記者室で出くわした先輩が、著者に赤いリンゴを一個手渡すと逃げるように姿を消したようで、著者はなぜ出し抜けにリンゴを先輩は自分にくれたのだろうと考え、彼は私に謝りたかったが照れくさいから謝過(謝罪のこと)の代わりにリンゴを手渡したんだと解釈したそうです。

 ※ちなみに韓国語で謝罪とリンゴはどちらも「サグァ」で同音てす。

 僕は読んでる時に「いやーなるほど!めちゃくちゃ面白い解釈だし、本人の受け取り次第で出し抜けにただリンゴを渡された出来事もこれ程にほんわかするんだな。」と感銘を受けました。

 音楽の詩、映画やドラマなどに登場した一言のセリフ、詩などの言葉に勇気づけられたり、時には涙することが多く、エッセイや詩などを読むのが好きな方におすすめの一冊です。

Ryuki

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