「国家はなぜ衰退するのか(上)」を要約した。
👋はじめに
今日本屋に行ったらハヤカワ文庫のフェアみたいなのをしてた。
そこでハヤカワ五味さんがこの本を紹介してた。前から気になってた本なので買ってみた。
とりあえず上巻だけ読み終えたので、ざっくり要約した。下巻は明日読む。
👋結論
国家運営では
・民主的であり、収奪的でない
・生産者に対してインセンティブがある
・イノベーションが起こる
という2つの条件のもと、繁栄する国家が作られる。
なので、私達個人が経済的に成功するために参考にするべきは、
多様な価値観を受け入れるための寛容さを持ち、自分の考えに固執せず短期的な成果を追い求めすぎない
「なぜその目的を達成したいのか」を明確にすることが生産量を上げる(目的思考の大事さ)
その上で古い技術に固執せず、積極的にイノベーションを模索して変わり続けること
が長期的かつ継続的な成功をもたらすことを意識するべき。
👋国家が発展する要因
1.政治が安定しており、民主的である
社会主義や共産主義は収奪的であり、生産者にインセンティブを与えないために生産量が大きく減少する。
実際に、スターリン統治下のロシアでは生産力が低かったが民主的な資本主義の構造をもたらした瞬間に一気に発展した。しかし、収奪的な土壌が継続したためにその経済成長が長く続くことはなかった。
そして、スペイン占領下のメキシコでは植民地政策として社会主義のような収奪構造が組み込まれていたために結果として今も貧しいままなのである。
収奪的な構造、つまり焼畑農業のようなビジネスや運営は短期的な経済成功しかもたらさないことがわかる。
現代で貧しい国がなぜ貧しいままなのかは、人種や固有の能力によるものではなく、政治運営に大きくその責任が存在するのである。
アメリカで特許を取得している発明家たちの多くはとても裕福な家庭に育ったわけではなかった、平凡な家庭が多かったのである。しかし、アメリカという民主的に開かれた信頼性のある風通しのいい風土がイノベーションを産んだのである。
つまり、貧困というのは民主的でない社会主義や共産主義によって引き起こされるのであり、民主的な公教育や情報資源、政治への信頼感、風通しの良さというのがGAFAや巨大なテック企業を作り出すための大きなカギとなるのだ。
企業活動で言うならば、ワンマン経営のIT企業などはそのうち滅びることになる。イノベーションが発生しない土壌は今はいいかもしれないが、次第に弱体化していく。
決して地理的な要因や天性の才能が関係しているわけではなく、運営している母体が重要な観点になっているのだ。
イノベーションが起こらない国家はどんどん衰退していく。発展のための鍵は自由な発想が許されることである。
これを個人の人生に反映すると、決して才能がなくても民主的に心の平安がもたらされ、多様な価値観を尊重できる人間になることが技術革新のためのインセンティブを育て、産業革命を育てていく。
2.イノベーションが発生する
イノベーションの有無というのは一番の民主的な国家運営の恩恵である。産業革命が最初に発生したのはイギリスだが、それは民主的な多元的価値観の運営によって開かれて拡大していった。
イノベーションは経済的インセンティブ(動機)がないと起こらない。アメリカが現在大企業を多く擁しているのは安定的な政治運営があってこそである。
そのために、技術やイノベーションがそのまま中国農村部やアフリカに入ったとしてもアメリカほどの成功は見込めない。それは、民主的な政治運営が行われていないためにその技術の芽が成長しないからである。まるで、質の悪い土からいい作物が育たないように。
👋ぼくの考察:ダーウィンの進化論との親和性
例えば、農業では焼畑農業という栽培方法がある。植物を焼き、その発生した灰をもとに土壌を改良していくやり方だが「長期的に見て」生産能力が低く、耕地面積に限界があることから現在ではあまり採用されていない。
これは短期的な成果を追い求めようとして生産能力が低くなってしまうスターリン統治下のロシアの集団農業の政策と似ている。
つまり、個人やビジネスにおいても継続性のある営みが求められており、それが結局のところ生産量を伸ばすことになる。
ダーウィンの進化論では、進化をしない生物は淘汰されていくとされており、継続的な小さな変化が長期的に巨大で指数関数的な成長を発生させるとしている。
つまり小さなイノベーションが積み重なることで生物というのは生き残ることができたのである。淘汰されていった生物種たちは革新を良しとすることができなかったのだ。
個人の生活やビジネスにおいてもこれがそのまま当てはまるであろう。
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