2024年の振り返りについて
毎年ブログで1年の振り返りブログを書いていて、その時間が結構好きだったりする。しかし、今年はゆっくり書く時間がなさそうなので写真もなしに雑に振り返りたいと思う。
昨年12月はCAF賞のファイナリストに入り、パリから日本に一時帰国したものの負けて(入選止まり)、楽し悔しかったのだけれど、これはパリで修行して来いというメッセージと捉え年末にパリに戻る。
友人たちと年越しをして、初日の出を待っていた時に、能登の震災が起き、遠い国から地元にいる家族や友人たちの心配をしていた。2024年はそんな始まりだった。SNSを見ていても全くさっぱりしないし、この時期のヨーロッパの天気は終わっているので鬱々としていた印象がある。ひたすら持ってきた本を読み、映画を観て、コンペティションやAIR、助成金の公募書類を書きまくって出していた。数えたら、今年は公募書類を58件書いて出していた。おかげで相当書く筋トレができたし、英語で書類を作るハードルが下がり今では当たり前くらいの作業になっている。でも結局海外公募は全落ちしたので、まだまだである。国内のはいくつか通ったのがあって、後述するがそのおかげでウズベキスタンに行けたし、4年ぶりの個展が実現した。
あとiPhoneの写真フォルダを振り返ると、ひたすら展示を観ていたんだな俺…と思った。それくらい作品の写真ばかり。良い作品を観ることは良い作品を作るために大事だと思う。そして何より、留学先のボザールでの授業。所属アトリエでは毎週月曜に展覧会をやっていて、合計13回くらいやった。自分がキュレーションした企画もある。ひたすら作品を展示して英語でプレゼンして、というのを1年やり切った。
アトリエ内で日本人どころかアジア人が自分だけ、という状況は、自分の発言に責任を持つ必要があるし、そのような場で東洋について語ることは非常に面白い経験だった。1年間このアトリエの授業をやり切ったことが自信になったし、自分の作品に対する他の人たちのリアクションも収穫となった。自分、こっちでもいけるのでは、みたいな。そういう実感を得ることができたのは留学の大きな収穫。完成度は低くとも、とにかくひたすらアウトプットする、表に出すというのが向こうのスタイルで、藝大と多少異なるな感じた。
冬はひたすらそういう感じで、天気が良くなってきた春頃からようやくパリに居心地の良さを感じてきて、ほぼ毎日セーヌ川で飲んでいた。これが最高だったなぁ。ここで考えていたことが11月の個展で発表したことにも繋がっていったし。
授業が落ち着きはじめたので、近隣の国を旅するようになった。ベルギーのブリュッセル、キプロスと北キプロス、ポーランドのヴロツワフにベルリンとロンドン。映像作品をスイスやベルリンで上映できたのも良かった。そして、6月末で無事ボザールの交換留学を終えたけど、ヨーロッパの最高の夏を楽しまずに帰れるかということで、そこから家なし放浪旅がスタートした。
2年ぶりのヴェネツィアビエンナーレやミラノ、フランスのリヨンで友人らとバカンス、ドイツのシュトゥットガルト、パリオリンピックを楽しんで日本帰国…と見せかけて、そこから藝大のリサーチWSに参加し、ウズベキスタン4都市を巡った。
とにかくたくさんの展示を観て、アーティストやキュレーターたちと喋り、新しい友達ができたり旧友と再会したり、振り返るとめちゃくちゃ充実してましたわ。春〜夏で、秋〜冬の鬱々とした留学期間を完全に巻き返したと言っても過言ではない。
8月末に帰国してからとにかく日に焼けすぎて誰だか分からないと言われまくった。1年の留学をやり切った感が強く、良い意味でパリに寂しさもなければ(どうせまた帰ってくるだろうという思い)、かと言って、日本最高!物価安い飯美味い!という、いつもなら入るボーナスタイムも特になく、帰国してすぐ旧友と祖母が亡くなり、バタバタしつつ、すぐ脳のスイッチが個展準備モードに切り替わった。
それから日本の秋冬の風情を堪能した記憶もないほど、11月の個展開催、富士市で2年ぶりにホットサンドのWS、12月の修了制作、最終審査と駆け抜けて今に至る。ゆっくり振り返ることもできないまま、年末なのが信じられない。そして脳みそは、1月下旬の修了展と2月のメ芸の展示に焦点を当てている。
それから当然、3月に藝大を修了したあとの動きも考えていく必要がある。先日書いたが、TOKASの二個間交流プログラムの最終候補者にいま入っていて、もし、もし!採択されれば、ブリュッセルにレジデンシーアーティストと飛ぶことができる。
また最近、先端の先生で自分の副査でもある西尾美也さんの「美術は教育」を読んでいて、自分もまだ知らなかった先生たちの動き方に非常に感化された。
アートの世界で生き残っていくための現実的なスキルについて、最近特に強く考えていることがある。
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