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アトリエを片付けることが自分にとって作ること

個展の搬出作業でぎっくり腰一歩手前みたいな状態になった。

というわけで、腰痛対策に早速スタンディングデスクを導入した。これでアトリエで作業する際に椅子に座っている時間を減らすことができる。

また、別の問題は家の寒さだ。日本の家屋は寒い。寒すぎる。去年は札幌より緯度が高いパリで冬を過ごしたが、ヨーロッパの建物は構造や内暖房がしっかりしていて、とても暖かく、快適に過ごせる。日本から持ち込んだヒートテックを全く着なかったほどだ(屋内に入ると汗をかく)(欧米の人がダウンの下に半袖着ているのはそういうこと)

北海道以外の日本の家屋はムカつくほど寒いしQOLが著しく低下する。金沢のアトリエも例外ではなく、しかも、今年初めの能登地震の影響で窓が完全に閉まらなくなってしまった。早急に対策が必要、というわけでYouTubeで100円ショップを駆使した低予算でできる部屋の寒さ対策を片っ端から調べ、すきまテープ、暖冷カーテン、冷気断熱シートなどを駆使しDIYを実行した。

改めて日本の100円ショップには感動する。「100円ショップの価値は節約ではなく、挑戦のハードルを下げること」という文言をどこかで見た気がするが、ダイソーには画材・手芸・園芸・DIYやキャンプグッズに至るまで、ありとあらゆる細かい商品が取り揃えてある。

新しい趣味や実験的に何かを作りたいとなった時、ハンズやホームセンターで揃えるのではなく、まず100円ショップにあるモノではじめてみてもいいと思う。失敗しても、違うなと思って辞めても金銭的なリスクが低い。日本のアーティストや、日本人の創造性が豊かな部分は100円ショップの存在も大きいのではと思った。フランスにも2ユーロショップなるものがあったが、クオリティも品揃えもダイソーに遠く及ばないものだった。

なんてことを考えながら作業を進め、ついでにアトリエに置いてある工具や資料の配置を整理することにした。さらにその過程で、不要なものをごみ袋10袋分断捨離した。そして生活をより快適に豊かにするためにインテリアや家具家電の細かい配置を調整したりする。

つまるところ、東京から金沢のアトリエに戻ってきてやってることは、作ることではなく、ひたすら片付けや整理ということになるが、自分にとって「アトリエでの制作」とは、ほぼこのことを指す。思うに、多くの人は作りすぎだと思う。制作はプラスの作業のみでなく、マイナス、つまり引くことからまずやりたいと考えている。

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どうしたらもっと本質的にこの世界を味わえるのか。 圧力やダルいことに従わずも反発もせずすり抜けられる…

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