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本『旅のつばくろ』 / 沢木耕太郎

本『旅のつばくろ』 / 沢木耕太郎、読了。

沢木耕太郎の国内の旅のエッセイ集。JR東日本の「トランヴェール」という車内誌に載せたものから41編を選んで1冊にまとめたもの。

主に北の地方の旅をまとめている。また、沢木さんの16歳時代の東北一周の旅をなぞっている(それ以外の話もある)。

コロナ禍前の旅のエッセイである。

沢木さんのエッセイと言えば、過去の作品では『バーボン・ストリート』や『チェーン・スモーキング』のように、いくつかのエピソードをまとめて1つの結論を出す、という印象が強く残っているが、この作品では1つのエピソードで1つのエッセイである。それ故に41編も掲載されている。

いくつかの印象に残る言葉も出てくる。

例えば「こちらが情熱を持って事にあたれば、人を動かし、現実を動かすことができる」とか。

また、沢木さんの旅に対する姿勢なども垣間見ることができる。「旅における性善説」とか「面白がる精神」などである。

そういった意味では、これまで沢木さんが書いた旅に関するアレコレの答えみたいなエッセイであると感じた。

そう、旅ってこんな感じだよな、みたいな。

かなり久しぶりに沢木さんの本を読んだが、沢木さんの旅は、まだ続いているのだな、と再確認できた本であった。


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