映画『愛する人に伝える言葉』
映画『愛する人に伝える言葉』
(2021年/フランス)
脚本・監督:エマニュエル・ベルコ
主演:カトリーヌ・ドヌーヴ / ブノワ・マジメル
来月で私も57歳になるが、50代に入って何が変わったかというと、終わりを考えるようになったこと。どんな仕事で終わるか、とか、人生の終わりをどう過ごすか、とか。
50代に入ってから、同じ年の友人、知人の訃報が届くようになった。また友人の再就職の話などの話も聞くようになった。終わりが来るということを感じることが多くなってきた。
この映画は簡単に言ってしまえば、終活の映画である。主人公やその身の回りの人たちが「死」をいかに受け入れていくかが、テーマである。
この映画で良かったのは音楽で、音楽セラピーが隠れた主題でもある。実際にフランスではあのような音楽セラピーが行われているのかは分からないが、もしそうだとしたらとても素敵だと思った。
静かな感動が伝わる良い作品だった。医療関係者、あるいは終末医療に携わっている方に観てもらいたい作品である。