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(2024/07/18/木)大淀3号墳の壺形埴輪
本日の見出しの画像
大淀3号墳の壺形埴輪
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大淀3号墳の壺形埴輪
生活道具の形をした埴輪
生目古墳群にほど近い大塚地区の大淀3号墳から出土した壺形埴輪です。
壺は日常生活でも欠かす事の出来ない道具ですが、この壺形埴輪は、普通の壺とは形が異なっており、古墳に並べる為だけに作られた物と考えられます。
こちらは、宮崎市生目の杜遊古館(宮崎市埋蔵文化財センター)に展示されている、2個の壺形埴輪で、2024/07/06/土の午後に撮影した写真です…。
先日行った美郷町の西の正倉院に展示されていた須恵器の底に開けられた穴を見て、こちらの壺形埴輪の、底に穴が開いている事を思い出したので、その穴を確認する為に、宮崎市生目の杜遊古館(宮崎市埋蔵文化財センター)に行って、この写真を撮影しました…。
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大淀3号墳の壺形埴輪の展示スペース
こちらは、2つの壺形埴輪が展示されている展示スペースの画像を、色々な方向から撮影しました…。
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壺形埴輪に明けられた穴を下から撮影した写真
こちらは、形が完全に残る壺形埴輪を、展示ケースの下から仰ぎ見て撮影した写真です…。
この展示ケースの台の角が斜め45度で削り取られており、下から観察できる様になっていました…。
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この、壺形埴輪の底に空けられた穴を観察し撮影するまで、この展示ケース内部の台座が斜めになっている事について意識する事は有りませんでしたが…
今回、詳しく観察した事で、この展示ケース自体が、かなり考えられて造られている事に気付く事が出来ました…。
(興味の有る物を詳しく観察すると、この様に面白い発見が有る事が有るので面白いです…)
上記の写真で、穴の開いた部分(印を付けた部分)を更に拡大してみました…。
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拡大すると、制作時に開けられた穴…と言うよりは、完成後に開けられたような…?
荒々しい断面の穴が開けられている事が分かります…。
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内部も撮影したいと思い、正面から撮影したのですが…
展示ケースのガラスケースに高さが有る為、背伸びをして、スマホを掲げても、内部の穴を見たり、撮影する事が出来ませんでした…。
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…この壺に開けられた穴が、完成後に開けられた物か、完成前に開けられた物かについては、後日、考古学者の方に質問したいと思っています…。
壺形埴輪に開けられた穴の意味
こちらの写真を撮影した日(2024/07/06/土の午後)に、学芸員の方に、こちらの壺形埴輪の底に穴が開けられている理由についてお伺いした所……
『一般的には、排水の目的が有って開けられていると言われています。』
…と言う事を教えて頂きました…。
又、この日は、土器を専門で研究されている考古学者の方が、午前中にいらっしゃった様ですが、午後に帰られてしまった様で、詳しい事を答えられる職員が居ないと言う事も教えて頂きました…。
なので、後日、改めて質問を行いたい思います…。
(何か判った際は、又、新たに備忘録をまとめたいと思います…)
これまで調べて来た、土器に意図的に空けられた穴の画像の共通点。
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今回、備忘録として残した『壺形埴輪』に開けられた穴の形状も、これまで調べて来た土器や須恵器の穴も、完成後に開けられている様に見えます…。
壺形埴輪については、時代が下ると、もっと形が簡素化し、元から穴が開けられた状態の埴輪になると、学芸員の方に教わったのですが…
(壺形埴輪が簡略化された埴輪について、過去に書いた備忘録が有るのでご紹介します…)
埴輪として使うなら、製作段階で、底にキレイな丸い穴を開けた方が、見た目的にも強度的にも良いと思うのですが…
わざわざ荒々しく破壊された様な穴を開けられていると言う事自体が、物を作る身としては不思議で仕方がありません…。
なので、この穴の開けられた壺形埴輪を見ていると、適当に…壊す様に穴を開ける行為自体にこだわりが有って…
意図的に綺麗な穴を開けていない…と、言う感想を持ちました。
これまで調べて来た、下記の土器に開けられた穴も、完成後に意図的に穴が開けられているので、これらの『容器に穴を開ける行為』自体に、何らかの意味が有るんじゃないか……?
とは思っていますが……発掘調査報告書からその理由を知る事は、今の所出来ていません…。
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宮内庁で保管されている壺形埴輪に添えられた文章と、個人的な感想。
上記の宮内庁のHPに、壺形埴輪について、言及された文章が有った為、参考資料としてご紹介致します…。
奈良県桜井市に所在する倭迹迹日百襲姫命大市墓(やまとととひももそひめのみこと おおいちのはか)から出土した壺形埴輪である。
土師器(はじき)の壺とは外見上ほとんど区別できないが,底に孔をあけており,「貯める」機能が失われていることから「埴輪」として作られたことがわかる。
最も古い埴輪の一つで,分布も限られる。
前方部頂上に直接置かれていたと考えられる。高さ45.0㎝,口径33.7㎝。
上記の文章の中で、『最も古い埴輪の一つで,分布も限られる。』と言う部分も気になりましたが……
それよりも、『底に孔をあけており、「貯める」機能が失われいることから「埴輪」として作られたことが分かる。』と言う部分が、特に気になりました…。
上記の文章を読んだ個人的な感想なので、上手く言語化できないのですが…
確かに、「貯める」機能を完成後に、意図的に失わせた方が……
初めから「貯める」機能を持たない壺を作るよりも…
「貯める」機能を持たせた壺を作った後、改めてその機能を失わせる為に破壊した方が……より強く(強い)、強力な儀式を行っている様な印象(?)を個人的には受けるな~~
…と、何となく思いました。
もっとストレートに言うと…機能的な物の機能を、故意に奪って捧げる行為その物が、生贄の儀式そのもの様な…何か呪術的な印象を受けました…。
(個人的な感想(妄想)です)
意図的に割られた須恵器と陶質土器(過去の備忘録より)
この備忘録を書いている時に、以前書いた備忘録の中に、『葬送儀礼として、須恵器を割る』と、言う部分が有った事を思い出しました…。
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7号墳出土の須恵器(その1) 特殊な須恵器
7号墳の造り出しの周囲からは、普段の生活では使われない特殊な須恵器や、朝鮮半島から輸入された『陶質土器』が出土しました。
これら大切であったはずの品々も造り出しの上での儀式のあと、惜しげもなく投げ捨てられます。
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7号墳出土の須恵器(その2) 大規模な儀式だったのか?
5世紀頃の宮崎平野では、須恵器は大変貴重で、住居跡などからはほとんど出土しません。
しかし、7号墳では多数の須恵器が一度の儀式で使用されました。
この造り出し上で行われた儀式がいかに重要な物であったかがうかがえます。
…上記の文章と、破壊され、復元された陶質土器や須恵器から、やはり、何らかの機能を持つ土器を意図的に壊す(機能を失わせる)儀式が過去には有って…
その儀式には何らかの意味が有って、それは重要視されていた…
と、言う事が分かります…。
茶碗割り
そういえば近年でも、葬送儀礼として、故人が使っていたお茶碗を割る…と言う事が親戚の葬儀に行った時に有った事を思い出しました…。
…当時はその行為について、余り考えていなかったのでGoogleで改めて調べてみると、下記のHPが出てきました…。
上記のHPから、一部抜粋致します…
『小さなお葬式』様のHPより
一膳飯とは?茶碗を割る意味とは?葬儀でのしきたりについて
出棺の際に茶碗を割る意味
出棺の際に茶椀を割る「茶碗割り」というしきたりがあります。これは、故人の魂がこの世へ帰ってきたり、未練を残したりしないために行うというのが通説とされています。
茶碗を割る際にはどんな茶碗でもよいのか
茶碗割りでは一般的に、故人が生前に好んで使っていたものを割ります。日本では食器を長く使うことで、使っている人の魂が宿ると考えられてきたからです。
上記の文章を読んで、ここ数日調べ続けて来た…
・弥生時代、土器を甕棺として転用する際に一部壊すと言う行為(儀式?)
・古墳時代に、壺の底を壊して埴輪にする行為
・貴重な須恵器や陶質土器をわざわざ壊す儀式
……と、現在も葬儀の際に行われている、この『茶碗割り』の儀式とが関連しているかどうかは判りませんが…
『土器を割る(機能的な物の機能を故意に失わせる)』
……と言う意味では、共通しているし、似ているのではないかな~?
と、個人的に考えています…。
しかし、学術的な事は良く判らないので、これからも民俗学や文化人類学(注1)の方面の資料を調べて見たり、考古学者や民族学者の方にも質問をして見たいと思います…。
※1)民俗学と文化人類学の違いについて
(『筑波大学』様のHPより)
民俗学は儀礼・信仰・社会・経済などの伝承資料から日常の暮らしと文化を探求し、文化人類学は異文化の営みと我々自身の営みをシンメトリックに研究する学問です。
いずれもフィールドワークに基づいて、価値観を異にする人々の行動様式を生活文化の中で理解します。
ここまで調べて来た事や、今後調べる事については、今後、私が作品を作る際の参考にしたいと思っております…。
2024/07/18
投稿時間2024/07/18/1326
最近はただの日記になっていますが、自分自身と作りたい作品について更に突き詰めて行きたいので、この作業を暫く続けて行きたいと思います。
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