同情と愛情は似て非なるもの
昨日職場の方におすすめされた現在上映中の映画『夏目アラタの結婚』を見た。
初め、あらすじを聞いたときは私が大の苦手とするグロ描写があるに違いないと警戒したし(実際上映中何度も目をそらした)、サスペンス要素がかなり強い映画と予想していた。しかし観終えた今は見て良かったと思う自分がいる(精神的なダメージが大きいことは否定しないが)。
この映画のテーマを自分なりに見いだすと「同情と愛情は似て非なるもの」ではないかと考えた。これまで私は同情というものに対し、ネガティブな認識を持ち合わせていなかった。むしろ映画『ジョーカー』の主人公のように(観たことはないが)かわいそうとすら思ってもらえない人が最も悲惨であると思っていた。
しかし、劇中でも言及されていた通り、他者へ同情を抱くことにより、自分の立場はまだマシであると少なからず肯定できる。言葉を選ばずに言えば、他者を見下すことで自分の精神を安定させられるのだ。それも無自覚に。そして、同情を向けられた相手は対等な人間関係を形成できていないと察し、心を閉ざすのだ(え。飛躍しすぎ?)。
何はともあれ、私の予想に反して映画はハッピーエンドを迎えたので満足、満足。グロに耐性があるならおすすめしたい。