「許さない」も選択肢の一つ
いしかわゆきさんの著書『ポンコツの私で生きていく、〜ゆるふわな思考で、ほどよく働きほどよく暮らす〜』を読んだ。
きっかけは書店のエッセイコーナーの棚を眺めていた時ふとタイトルが目に飛び込んできたのだ。それは仕事で塞ぎ込んでいた私に一筋の光が差し込んできたかのような感覚だった。
そしていざ本を開くと著書でも言及されているようにどこまでも優しい世界が広がっていた。まるで私を含め、慢性的な生きづらさを抱える読者を待っていたかのように。
著書の中で個人的に最も気に入っているのは「絶対に許せないことは許せないままでいい」のところだ。多くの方は幼少期の頃から許すことは美徳であると教わってきた。私自身も憎しみを理由として前に進めないのであればいっそのこと許してしまう方がマシであると思わないこともない。
でも大抵は許したところで、自分に対したメリットはないし、そもそも許すには大きなエネルギーを要する。復讐という負の連鎖さえ起こさなければ許さないのも選択肢の一つとして見なしていい。
そんな風に自分の中でくすぶる黒い感情が肯定されて気分が楽になった。今後、私も自分にとってのやさしい世界を追求していきたい。