山辺の羊
『海辺のカフカ』をもう一度読もうと思って読んでいた。
なんとなく本棚を見たら『羊をめぐる冒険』があったので、手に取った。
読み始めた。
何度も読んでいるので、ぼんやり覚えているけれど、とても新鮮だ。
旧い友だちに会ったようだ。
いちいち、気づかされるなぁ、と思う。
以前、読んだときの私は私で、そのとき感じられることを目一杯感じたのだろう。
今回読んでいる私は、きっとその時以上に物語からいろいろなものを受け取っている。
そして、受け取ったものが自分の中に既にあるものと反応しあっている。
面白すぎるだろう。
世界中の面白いものを全て経験するのは難しいかもしれない。
いまは、村上春樹の作品を通じて面白いものを経験しているところ。
そして私の中で、生きている世界と混ざり合いながら新しい私が日々更新されていく。
ひとまず、主人公が男に「もう行った方がいい」と言われた後の『たしかにそういう感じだった』というところが最高におかしかった。
なんで、いつも主人公はこのタイプの男をわざわざイラつかせるのだろう。
ハードボイルド・ワンダーランドを思い出した。
羊をめぐる冒険は、まだ続く。