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140字小説 「焼けた思い出」

ステーキの有名チェーン店が近所にできた。しかし値段の割に筋が多く、リピートする客はほとんどいなかった。後日ステーキ屋は潰れて別の店が建っていた。噂によればオーナーが幼い頃、初めて連れて行ってもらったステーキ屋だったそうだ。昔日の感動も、今や焦げ付いた肉のようにほろ苦く感じられた。

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