るりなつよ

元・文学少女📚️文系の大学院(修士課程)を修了。今はヨガに生きる子育て主婦👩‍👦 習作の詩を…

るりなつよ

元・文学少女📚️文系の大学院(修士課程)を修了。今はヨガに生きる子育て主婦👩‍👦 習作の詩を投稿しています✏️

マガジン

  • 【婚外恋愛詩】婚外主婦の未知の旅路(ミチノミチ)

    婚外恋愛をテーマにした詩を書いています。

  • 詩集:母性の分かれ道

    子育て中の母親の立場から感じること(主に葛藤)を、詩という形で綴っています。

  • 詩集:光へ捧げるメッセージ

    あなたにとっての<光>とは何でしょうか。 あなたを導いてくれるものの存在を思いながら、読んで頂けるとうれしいです。

最近の記事

  • 固定された記事

残された道

ある歌姫の物語で 言っていました 「何かを表現するときは 一つの道しるべに向かって行えばいい」と その時思いました ああ そうか それでいいんだと それで <表現>は 成り立つんだと… 既製の言葉の引用だけでは 収まり切れなくなってしまった だから これからは 自分の言葉で 表現してみることにします これから発する言葉は 全て 全て たった一つの 光へと 向かう メッセージ それが 傷つける事なく 対話できる 唯一の 残

    • メンヘラ・ダイエット 第二章(修正版)

      一夫一婦制という庭の中 盛りを過ぎた花は 次世代の種を育てるのに勤しみ 花びらは水気を失い色が褪せ ひびのように皺が入り その輪郭にはぎざつきが BMIは25を越え 体脂肪率は36%に突入 このまま次世代さえ花開けばいいと思っていた雌花は 水面下に凍り付いていた磁石を 不意に出会った雄花に 溶かされ 互いの凹凸は埋められる  まだ咲き誇れる その日を境に 雌花は雄花が放つ小さな塩粒を探す病に冒され塩が塗られる度に傷口は開き 涙も塩辛い 名字が変わっても変わらぬ体質

      • メンヘラ・ダイエット 第二章

        盛りを過ぎた花は 次世代の種を育てるのに勤しみ 花びらは水気を失い色が褪せ ひびのように皺が入り その輪郭にはぎざつきが BMIは25を越え 体脂肪率は36%に突入 このまま次世代さえ花開けばいいと思っていた雌花は 水面下に凍り付いていた磁石を 不意に出会った雄花に 溶かされ 互いの凹凸は埋められる  まだ咲き誇れる その日を境に 雌花は雄花が放つ小さな塩粒を探す病に冒され 塩が塗られる度に傷口は開き 涙も塩辛い 名字が変わっても変わらぬ体質 恋痩せに痩せ 次世

        • 秘密の愛の依存症

          あなたが私に注ぐもの それは古傷に染み入る優しい塗り薬でもあり 禁忌の香りが漂う精油のようでもある それには即効性があり、ほとばしるような歓喜をもたらすけれど ひと度注がれるものが途切れると激しく渇きを覚えてしまう 会瀬と会瀬の間の日々 日ごとに薄れる 前回交わした愛の記憶  そろそろ上書きされたい 肌身離さず握りしめる端末にあなたの気配を感じない夜 欠乏欲求の仲間 あなたは肌呼吸のような存在だから 奪われると  あっぷあっぷ 泳げない この身が感知する情報と

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        残された道

        マガジン

        • 【婚外恋愛詩】婚外主婦の未知の旅路(ミチノミチ)
          16本
        • 詩集:母性の分かれ道
          20本
        • 詩集:光へ捧げるメッセージ
          23本

        記事

          小休止の提案

          朝 昼 夜 家族には秘密の文字の交換がリズムをなし それが軽快な時はそのままでいい ただ このリズムが背負う運命(さだめ)なのだろうか 月日の中でマンネリズムへと形を変え 軽い筋肉痛のよう ある日 あなたの意識の主が いつもの時間に返信しないという行動によって示された 小休止の提案 代わりに どっくんどっくん 動悸を打ち始める私の心臓 表の私には冷たい風が吹き荒ぶ でも 裏の私はどこか安堵を覚えている  本当は  そろそろ休みたかった この小休止は あなたからの提

          小休止の提案

          天使の通行許可証

          秘密の会瀬は月に一度を目指しています 会瀬と会瀬の間を埋めるのは スマホを窓口とした交換日記  おはよう  今昼休み  仕事終わった  おやすみ 私達には 通行禁止道路を往来するため 天使からの通行許可証が必要なんです 天使は時に気まぐれを起こし とおせんぼにとおせんぼを重ねる事もあります  約束の日に  私の子供が熱を出しました  約束の日に  あなたにゴルフ接待が入りました  約束の日に  私はシフト勤務の交代を迫られました  約束の日に  あなたは家族サー

          天使の通行許可証

          オンリーワンのドライフラワー ver.2

          家族という共同体に身を置いたオンリーワンの花嫁自ら産み落とした幼い命もこの手に抱き 揺るぎない土台を築き 手に入れた安泰 年月の中でその土台は硬さを増し いつしか水をやることも忘れて ひびが入り始めた地面  このまま 枯れゆくのか そんな私の手を取ったのは 左手薬指 リングが光るあなた その腕の中 私は再び花を咲かせた オンリーワンのドライフラワー ああ どうか 枯れゆく前に咲き誇れ  たとえあなたに帰る場所があったとしても  たとえ私に帰らなければならない場所が

          オンリーワンのドライフラワー ver.2

          オンリーワンのドライフラワー

          天塩にかけて育ててきたはずの青きオンリーワンの花は いつしか隣の花に目をくれるようになり 今ではマイホームの庭に影を潜めている 時に波に乗り 時に波に遅れながら ちらちらと右を見て左を見て そこに物差しを見出だして あー長い あー短い とくるくる表情を変えている  生みの親がいてもいなくても  教室の中で目立っても目立たなくても  勉強ができてもできなくても  友達がいてもいなくても  恋人がいてもいなくても  華があってもなくても  容姿が端麗であってもなくても  気配

          オンリーワンのドライフラワー

          秘密の不眠症

          昨日までは 喜びをまとった眠りへと誘ってくれる善き友だった夜の光は 今夜突然その性質を豹変させ 瞼を下ろす事を禁じ始めた 夜は私を深みへと落とそうと躍起になる 平均して22時までにはあるはずの夜のメッセージ 待受画面はただただじっとしたまま 川の字が振り下ろされた寝室 窓際と真ん中に父と子が並ぶ 入り口側にたたずむのは 昼間の役割から逃れた深夜の三画目 その縦棒の 寝具との接地面は 深淵へと嵌まる入り口のよう 2時間後には目覚まし時計が鳴る あなたとのこれまでの

          秘密の不眠症

          脳内セカンド・ラブ

          秋の暮れ 横になりながら眺める SNSのアプリ メッセンジャーでの対話を経て 熟年ミュージシャンのあなたから 告げられたメッセージ   セカンド・ラブ希望です はて かの有名なアイドルの歌を模したそれ …という年齢でもお互いない ああ 互いの夫と妻を守りつつ …ということか  距離が遠いし  返信も遅いですよ  だからこそ、セカンド・ラブ  心の恋人ということで… 顔の見えないあなたに丸め込まれ 始まった 脳内ラブ 対話手段の次のステップ LINEに送ってくれた

          脳内セカンド・ラブ

          卒業宣言~青き時の中のあなたへ~

          再会を果たしたあの日のあなたは、メロドラマから生まれたあの造語*を知っていたでしょうか。 私はまだ知らなかったけれど、あの造語を体現すべく、世の夫も妻もひっそりと家庭の外に彩りを求めるようになっていた頃。私は初めての子育てに一心不乱となっていて、夫婦生活にさえ目もくれませんでした。 そこから数年が経ち、視界が広さを取り戻し始めた時、既に夫は子育てを目標とした共同生活者に変化していました。 その頃からでした。意識の奥深くに眠っていた記憶が頭をもたげるようになってきたのは。

          卒業宣言~青き時の中のあなたへ~

          待ちぼうけの情報気流

          一人の人間が 他者から受け取り可能な 情報の容量には 限りがあり それを越すと 新たな情報は入って来ない 日曜の午後 今日はLINEが賑わっている スマホの画面左上に 小さく示される白い吹き出し  やっと返信が…!  (気流は上昇) そう思い すかさずチェック ロック画面通知 表示された送り主の名前は ママ友のグループメンバーのそれ 即座に既読にしてやる  (気流は下降) 再び画面左上に小さく示される 白い吹き出し  やっと返信が…!  (気流は上昇) 表示

          待ちぼうけの情報気流

          ポケットの小さなハンカチ

          お出掛けの時はいつも 手を洗う君に さっと手渡していた小さなハンカチ お出掛けの時はいつも ママの左のポケットには君の 右のポケットにはママの ハンカチを忍ばせていた この春 ランドセルを背負うようになった君 先生とのお約束 ハンカチとティッシュはいつも持ち歩きましょう 小さなスボンの 小さな右ポケットに 小さなハンカチを 忍ばせるようになった君 学び舎で 手を洗い ポケットからハンカチを取り出し 手を拭き またポケットにしまう 君のその姿をママは未だ知らない

          ポケットの小さなハンカチ

          深夜のオンライン旅行

          喪失という記憶の海に溺れ 眠りという岸辺に辿り着けなかった夜 右から左から 幼な児と 父の寝息が飛び交う中 おもむろに枕元のスマホに手を伸ばし SNSのアプリをタップ 記憶にこびり付いて離れない その苗字を検索してみる すると 同じ苗字の見知らぬユーザーが 次々と表示される  いるはずがない  いるはずがない そう思いながら 無機質にユーザーが連なる画面を スクロールし続けること数分 そして 現れたのは あの頃 誰よりも求めた存在のフルネーム プロフィール写真

          深夜のオンライン旅行

          想い出づくり

          勤勉な婚約者との生活の隙間に入り込んだのは 元バンドマンの電話営業トーク 左斜め後ろから耳に入るその声に 私は聴衆の筆頭となった ずっと聴いていたい… チームが同じになったり ランチが一緒になったり 少しずつ縮まる距離 オフィスから数日姿を消した席のパソコンに向かって滑り込ませた 1通のe-mail  これ  私の携帯メールです 端末を開いたあなたから 程なく受け取る返信  メアドありがとう そして始まる 二人の交換日記 行きに帰りに通勤電車で 婚約者不在

          想い出づくり

          片想い生活

          公という言葉とは縁遠く しかも一方通行 スマホの待受画面を飾る家族写真 偶然目にしても 時既に遅し 在宅勤務となり ますます遠のく その姿 フロアの隅から見つめることも 元よりまばらだった会話さえも 叶わなくなった 片想い生活 代わりに生まれた 朝のルーティン 寝床の中 小さく名前を呼び  一人つぶやく  おはようございます ノートパソコンへのログインが タイムカード代わりとなり 始まる業務 画面越しのミーティング ずらずらと 四角い区切りが並ぶ中に その姿はな

          片想い生活