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オンリーワンのドライフラワー ver.2
家族という共同体に身を置いたオンリーワンの花嫁自ら産み落とした幼い命もこの手に抱き
揺るぎない土台を築き
手に入れた安泰
年月の中でその土台は硬さを増し
いつしか水をやることも忘れて
ひびが入り始めた地面
このまま 枯れゆくのか
そんな私の手を取ったのは
左手薬指 リングが光るあなた
その腕の中
私は再び花を咲かせた
オンリーワンのドライフラワー
ああ どうか 枯れゆく前に咲き誇れ
たとえあなたに帰る場所があったとしても
たとえ私に帰らなければならない場所があったとしても
あなたからの通知を待ちわび
お守りのようにスマホを握りしめても
ふわふわと着地点のない運命であったとしても
時に一人夜を明かしても
夫ある者と妻ある者とが造り出した束の間の共同幻想
目を覚ますその日は二人で決めよう