7日間ブックカバーチャレンジー7日目ーマチネの終わりに
マチネの終わりに/平野啓一郎
平野啓一郎の作品に出会ったのは、2015年の冬だった。小説「空白を満たしなさい」の紹介を雑誌か何かで読み、そのまま吸い寄せられるように本屋に買いに行ったのが始まりであった。表紙はゴッホの自画像だった。
それからすぐ、春になると「マチネの終わりに」が出版された。私は、期待に胸を膨らませながら手に取った。
「マチネの終わりに」は、40代に差し掛かる天才ギタリストとジャーナリストの高尚な恋物語である。
音楽が聞こえてくる
音楽が聞こえてくる文章だった。
クラシックなんて一度もまともに聴いたことがなかったのに。
情熱と常識
情熱と常識という表現があったけど、私にとってもっと身近な表現にすると、感情と理性だった。
私の中で、一概に何が許されて何が許されないってもっとはっきりしてた気がしたけど、急にあいまいになった。
登場人物みんな人間で、どの立場に立っても苦しい思いがあって、許すとか許されないとかどの立場で言えば良いのかわからなくなった。
"未来は常に過去を変えている"
初めて2人が出会った日の言葉だった。
自分の過去には自信がない。でもこの言葉が、これからの私次第で今までのことも変えられるという救いになった。