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「PICU 小児集中治療室 (第11話)」医療現場の厳しさとやりがいの狭間に見える未来

先週、何故に最後に地震が起こるんだ?と思ったが、理由は、それによって今の北海道の救急医療の限界みたいなものを見せるためだったのだろう。ある意味、最終回において、ドラマのテーマがしっかり見えたと言う感じもした。

ラストシーン、心臓移植を受ける予定の男の子が、補助心臓も体に入って外を歩けるようになって、吉沢亮と語るシーン。これをハッピーエンドとは言わないだろうが、未来が見えるようなシーンでホッとした。そして、安田顕がこの病院に残れるようになったのも、観ていて嬉しかった。

しかし、その最後の決断を言いにきた野間口徹。こう言う素直でない男の役にはぴったりですね。彼を決して最後に悪人にしなかったのは、医療にそんな好き嫌いは関係ないと言うことだろう。そう言う意味では、医療の本質みたいなものを鋭く描いたドラマだと思った。

そして、普通の医療ドラマとは違い、完治して病院を去る笑顔は少なかったが、その分、医師たちの患者への思いみたいなものがしっかり描かれ、生きると言うこと、命ということを毎回考えさせていただいたのは大きかった。

確かに大地震があれば、ここにあるように子供達が集団で事故に遭うこともあるだろう。そして、小さい命は時間が問題ということもある。よく、こういうドラマでトリアージという言葉が出てくるが、大人と子供でどちらを先にするかと言う問題はあまり語られてこなかった気がする。災害時に未来がある子供たちの命は小さいが大きいということを理解している人はあまりいないかもしれない。これは、国として指針を出すと言うよりは、どう、その場にいた人たちが考えるかと言う心の問題かもしれないが、すごく重要なことだ。

安田顕が新境地の役だと前に書いたが、無口な医師役の中尾明慶も良かった。木村文乃も出番は少なかったが、最後に自分の娘と同じ名前の患者に出会い、手が震えるのが治ったのは、なかなか良きシーンだった。そして、北海道知事役の菊地凛子。今風の知事だが、自分の力のなさも認めながら、真摯に自分の仕事をこなす感じは、それらしく見えた。地方自治に対し、こう言う若い知事が多くいてくれたら、日本も変わるかも?と言う気にさせる演技だった。そう、出てくるキャストの人格が皆素晴らしいのだ。そのあたりは、この脚本を書いている倉光 泰子さんの人柄なのかもしれない。人が好きで、人が助けたくて、病院に勤めるものたちの物語として素晴らしかった。

そして、吉沢を含め、4人の同級生たちの友情をしつこくなく描く感じもまた好感が持てた。今回の中盤で、仕事中に軽く食事をしながらチャットでお互いを確認するシーンがあった(上の写真)。これ、すごく新しいと思った。離れていても、繋がっている感がすごくあった。こう言うチャットの使い方はすごく良い。本当にこう言うことをしている若者たちはいるのだろうか?すごく興味深かった。

とにかくも、全11回を振り返って、思った以上に良き医療ドラマだったと思う。そして、PICUがもっと上手く稼働していき、ドクタージェットも配置された環境の中での続編はぜひ見たいと思った。それを考えている、ラストだったと私は思うのだが・・・。是非、よろしくお願いします!

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