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「北欧こじらせ日記」低予算でフィンランドを広報するしたたかさ

深夜枠の新番組。同名のエッセイ。主演はAKB48の本田仁美。それなりの存在感で初回はなかなかのひきつけ力。

彼女がフィンランド好きということで、その知識でフィンランドを紹介していくという感じのドラマなのだろう。部屋には、ムーミンもいるし、ニョロニョロの抱き枕は少し、欲しい気もした。そんな彼女の勤めてる旅行会社が倒産するところから話は始まる。そして、彼女自身が自分の生き方を見つめ直し、好きなフィンランドに対しどう向き合っていくか?というドラマのようだ。

まず、主演の本田仁美。AKBにしたら、なかなか美形。どちらかといえば、乃木坂路線にいるように見える。多分、AKBの中に混ざったら個性が出にくいタイプなのかもしれない。でも、清潔感、愛嬌というアイドルの必要なものはあるようである。ただ、主役をこなすだけの個性がいまいちの感は拭えない。設定上、恋人がいるのだが、いわゆる性的対象には見えてこないし、フィンランド愛で食欲に逃げるところは、可愛い女の子でしかない。このキャラがどのように変化していくのか?というのもテーマなのだろうか?

そして、今回の主役のアイテムはシナモンロール。実は、私、数日前に数年ぶりにビデオで「かもめ食堂」を観た。あの映画を見るとフィンランドというところがよくわかる。シナモンロールも、作るところも出てくる。多分、このパンは、生地にスパイスを練り込んでいく過程が実に画になるということだろう。このドラマでも同じようなところが出てくる。いつも書いているが、料理を作っているところ、食べているところが、美味しそうなら、そのドラマは、それなりに及第点だ。そういう意味で初回は、二度のシナモンロールチャレンジに成功している。

そして、そもそも、フィンランドに興味を持ったのは、幼い頃に、サンタクロースはフィンランドにいるということを聴いたことにルーツがあるというのはわかりやすい。そして、彼女の誕生日は12月25日。ということは、このドラマのワンクールの終わりはクリスマスに近くなるからそういうオチが待っているのだろうか?昨今、面白いクリスマスドラマも少なくなったので、(それは不景気でクリスマスのイベント性が弱くなったからだ)ちょっと、楽しみだったりはする。

まあ、景気良かったら、最初からフィンランドにロケに行ったりして、賑やかなドラマになるのだろうが、このドラマは都会の部屋で夢見る少女のお話。でも、意外に安っぽさを感じさせない初回でした。軽く見る深夜ドラマとしては、それなりに楽しそうです。

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