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「テッパチ!(第5話)」自衛隊は国民を守るためにあるという大前提

このドラマの脚本は、特に突飛な切り口を持ってくるわけでもなく、自衛隊というものを今の憲法下で、とても大切なものとして真摯に描いていると言っていい。この間の、「武器は攻めるものではなく、守るもの」という見解もそういうところに基づいているし、話の中に、世界の軍事抑止力的なものは入ってこない。そういう意味では、自衛隊広報としては、なかなかうまく描かれると言っていい。そして、先にも書いたように、これを青春学園劇的に描くことにより、視聴者が引き込まれる様はなかなかうまい。とは言っても、視聴率はイマイチのようだ。きっと、ストリーミングに入るようになってから、結構見られる作品ではないか?最近、映画もそうだが、テレビドラマも、一回スタンスを置いてからブレイクしていく感じのものが多くなっている。そう、もはや、定時のテレビドラマの時代でないことは確かだ。だから、芸能マスコミも、視聴率など追いかけるのは意味がないと思うのだが、なかなかその辺り、進歩がないですよね。

今回の話は、女子自衛官との共同訓練で、訓練生に妊娠が発覚した話。今のドラマらしく、皆が真剣に彼女のことを考える流れ。そして、自衛隊には、妊娠した時に休暇も取れるし、育児が終わった後に、自衛官として働ける余地もあるということが、語られる。この辺りは、完全に自衛隊の宣伝なのだが、男女の区別なく、隊員を求めていることは確かなのだろう。まあ、それを維持するだけの予算が取られてるからこそのことだが…。この辺りが、すごく面倒くさい題材であることは確かだ。

とはいえ、ドラマとして描きたかったのは、仕事に対する真剣さと、人間として子供をどう考えるか?というところだろう。ここでの主役の男たちは、こういう問題から、未来の家族とか、自分の心のあり方を試される。そういう単純なドラマの構成は嫌いではない。

その事件の後に、佐野勇斗が、町田啓太を自分の家に招待する。そして、自分の家族というものを思い出す町田。彼の家の難儀なことについてはあまり語られなかったが、大体は予想がつく。この辺りのドラマが終盤にどう繋がっていくのかは、興味あるところ。

とにかくも、来週は一部終了ということらしい。つまり、訓練生であるところの最終回なのだろう。自衛隊をどう、柔らかく宣伝し、未来に必要なものか?と見せていく感じはなかなかうまい脚本にはなっているが、ここからが描くのに難しいところではあるのでしょうな。実践演習みたいなものに意味を見出していかなければいけないわけだから。


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