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「ブルーモーメント(第3話)」絶対に死なせないという心は、こういう現場で最も大切なことかもしれない
しかし、夏帆という女優さんは、その佇まいでは想像できないくらいに、役に入り込んで、見ている者が圧倒させられる。今回のような、芯の強さを一番に持っていて、的確な冷静な処理ができる医師という役はピッタリだ。その彼女をチームに引き込んでゆく山下智久の言うとおりには動かないという気の強いクールさもとても良い。
今回は、彼女を怪我をした医師としか見ていない、ただ自分の利権のためだけに動く、神保悟志のクソ男の好演のおかげで、彼女のクールさがすごく前に出たと言う感じもあるが、彼女が出てるだけでドラマは引き締まると言うことだろう。いい役者になったものだ。
今回の現場は火事現場。山下智久が見るものは風。それによって、火の引火の方向が決まる。そして、フェーン現象も伴うような場合、やはり、いろんな事故が起こったりはするのだろう。昨今の火事ドラマは火事の風景はほぼCGで違和感なく作れるから、そこでどういう面白いストーリーを作るかというところが大事。昨年公開された「TOKYO MER」の映画版も、そこがしっかりできていたから面白かった。そう、このドラマ、医師がグループメンバーに入ってきたことで、また「TOKYO MER」に似てきた。そういうふうに見ていくと比較してしまうのは良くないが、山下智久には、もう少しサバイバルな現場で違う顔を見せてほしいみたいな感じはある。
とはいえ、今回の主役は夏帆だ。神保が彼女を現場に立たせないようにしても、周囲がそれを許さない。彼女の医師としての見立ては的確だということを皆がわかってるということだろう。利権が欲しい医師にとって、一番近づけたくないのは夏帆のような医師である。医師は手術はできなくても、その知識で患者を救うことはできるという話。それは、山下の立場に似ているということか?
ここでの患者は、エコノミー症候群。そして、一回、息を引き取ったところから戻す時の必死の夏帆の演技がさすがというところ。本当にこの人は、一瞬でその職業に乗り移れるような演技がたまらなく良い。そして、役的には、山下と決して意見が合うような感じがしないのもまた良し。ここからどんな活躍をするのかは楽しみなところ。
そして、彼女の周囲で、出口夏希の成長も見られるし、仁和紗和がクールに夏帆をサポートする感じも素敵だった。とにかく今回も山下の少しリスク追いすぎのような指令でなんとか事故を乗り切ったという感じ。毎回、見ていて、毎回それなりに達成感があるのはこのドラマの良いところである。