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「エルピス~希望、あるいは災い~(第8話)」眞栄田郷敦の疎外感の向こうに何を問うのか?

ラストで、眞栄田を激励するという流れ。というか、ここまでマスコミの狡賢さというか、歴史を勝手に動かしているような仕組みを描いていいのか?ということですよね。今に始まった事ではないが・・・。眞栄田郷敦が、ますます正義の男のイメージになっていくのが、また面白い。会社を解雇になったということは、完全にフリーであると同時に、何を喚いても影響力がなくなるということだ。脚本的には、声の届かない人が冤罪にどう対応できるのか?ということも書きたいのだろうから、ここからが眞栄田の本領発揮とも取れる。前が全く見えないが・・・。

そして、ニュースを出すタイミングというのが実に重要だという話も明確にしている。国民の目を逸らしたいことがあると、芸能人が麻薬で捕まったり、そういうエキセントリックなニュースを投げるということがあるというのは昔からよく話されることだが、そういう噂が流れる以上は、そういうことはあると私は信じていた。そして、このドラマである。

眞栄田が必死で掴んだ、真犯人を特定できるネタをテレビ局は警察が動いてないものを扱えないとお釈迦にする。もはや、この時点で国か警察か知らないが圧力はかかっているのだろう。いや、かかっていなくても今のテレビ局は、冒険などしないのだ。まずは、忖度から始まる。そして長澤は、岡部たかしに頼んで週刊誌にネタを提供してスクープしてもらうルートを作るが、結果的にはそこまでで、自分のニュースで、そのスクープを出せないようにしてしまう。もはや、長澤はただのテレビ局のアナウンス人形に戻ってしまっている。ここも、今回の大事なところで、長澤の今後の動きをどう描くかも興味深い。

しかし、眞栄田と週刊誌の取材の後に、上の写真の看板を突っ込むのはなかなか印象的だった「あなたの知りたいにまっすぐ。」まあ、視聴者の知りたいことからしてテレビ局が考えてる感じもするので、必ずしも間違っていないだろう。しかし、テレビという装置は現代社会のなかで何様のつもりなのでしょうね?と思う、テレビドラマの評を書いている俺がいるわけですよ。そんな、矛盾のループの中に多くの人がいるのではないか?

しかし、これから、海外にいる永山瑛太をどのように、この世界に引き戻せるのか?多分、脚本的にはその仕掛けのところが一番書きたいところだろう。そして、オチとしては、彼が捕まるハッピーエンドはなくても、ドラマとしてはかなりのことが言える感じなので、私も落とし所が読めない。まあ、そのくらい面白いドラマになっているというわけだ。

今回も、鈴木亮平はテレビの中にしか登場しない。もはや、彼はテレビの中の嘘つきおじさんでしかない。こういう輩にはドラマがないから、こういう形の登場なのだろう。そう、テレビのワイドショーのコメンテーターは、本職が暇で、嘘をつくのが上手い人である。いや、スポンサーの言う通りにコメントできる人である。そんなことは、みんな知ってるのに、そんな人たちの言葉が欲しい人は多過ぎたりもする。

しかし、2022年がもう終了しようと言うのに、日本のあちこちでこんな正義ごっこの裏の悪徳が今日も蠢いているわけで、本当に困ってしまうわけだである。このドラマの中で、本当に今年最後の強力な爆弾を破裂させて欲しいと思うのは、私だけではないだろう。

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