「しょうもない僕らの恋愛論(第5話)」矢田亜希子の告白までの1時間
矢田亜希子さん演じる森田絵里の学生時代から眞島秀和を思っている心と、最後に告白するまでの1時間。矢田亜希子さんは、現在44歳。ここでの役は41歳との設定のようなので、ほぼ自分の世代を演じていると言っていいのだろう。しかし、矢田さんがそんな年齢になってることで、自分の歳を忘れていることも思い出す。
そして、昔は40代のこんな恋愛話を描くのは昼メロくらいであったと思う。いや、昼メロでも、不倫の話なども女性は20代後半の話が多かったろうと思う。そう考えると、今は自由な時代である。年齢もそうだし、同性愛も正々堂々と描かれる時代なのだから・・。そう考えれば、まだまだドラマにするネタは眠っているということなのだろう。
そう、このドラマも、眞島と、恋していた女の子の娘の中田青渚との恋物語が主題か?と思ったのだが、そうでもないらしい。まあ、タイトルにもあるように、40になった人たちの恋愛に対するあれこれを描くということなのだろう。
ということで、中田の方の話は閑話休題のような感じの回だったが、美術教師の本多力との会話の中で「愛がわかれば、芸術がわかる」などという発言があった。デザインも広告のアプローチも、ある意味、現代的には芸術であり、そういう芸術に親しんでいる者が、愛の迷子になってる感じがこのドラマの面白さでもあるのだろう。
しかし、眞島は矢田のような、誰でもが美女というような人を、学生時代から片思いにしておくなど、けしからん役で、実際にそんなことがあるのか?という感じもするが、矢田自身が仕事に賭けている男的な性格があるからだろう。いつの間にか、恋愛対象ではなくなった。いや、最初からそうでなかったから、男友達のように付き合っていたということなのかもしれない。
そういえば、今回の冒頭は神保町シアターで矢田亜希子と中田の同級生が出会い、お茶するところから始まった。ここで、高校生の男の子が矢田に照れずに会話しているのも、矢田が男っぽいということなのだろうか?大体、その日に見た映画が「鴛鴦歌合戦」って何なのでしょうね?一部の映画ファン以外にはわからない会話ですが、脚本家もこれを入れたかった?この会話が???となった方々は、Amazonプライムなどで今見ることができますので、是非、見て見てください。戦前の日本が作りだした斬新なミュージカル時代劇です。
そして、最後には、中田とその男の子を車で送って、矢田は眞島に思いを告白する。まあ、そう言われて嫌な気はしない眞島という風景。青春を引きずりながらきて、大学出て20年目で告白できた女子である。現代のいろんな歪みが、青春の終わらせ方を難しくしているのですよね。まあ、終わらす必要もないのだとは思いますが・・。でも、矢田亜希子はこの歳になっても、本当に美しくあるわけで、・・・。