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「全領域異常解決室(第10話)」全て判ろうとするなんて、人間の傲慢なのですかね?
最後に、船を編んでからいなくなる成海璃子。基本、彼女は神ではなかったわけだ。その上で操っていたとされる柿澤勇人(ヒルコ)も人魚の肉を食べた人間だと言う説明。その悪意は人間の悪意。その悪意がヒルコの見えない力であり、その悪い心が悪い人間を動かしていると言うこと?この辺り、かなり曖昧なまま終わらせて、最終回で全領域異常解決室の京都支部として、ちょっといけすけない溝端淳平が出てくるあたりは、この話、シーズン2に続くことを十分に想定しているようには思える。最初の方は少し脚本に無理があったが、(というか、最初から説明してもよく分からなかっただろう)流石にちゃんとまとめてくる黒岩勉。今年もこの作品と「グレイトギフト」で存在感を見せたし、旬な題材をオリジナルで書き上げるのはやはりパワーを感じる。そのあたりは来年にも期待である。
ラストは、まずは前回、小日向文世が捕まったところから。そして世の中は大量自殺事件で荒れ狂う。そして、藤原竜也たち全決のメンバーも野間口徹に拉致される。そして、連れてこられたところは、新興宗教のイベント会場のようなところ。そして、野間口は自殺事件が自分の作ったアプリから流れる波動によるものだと吐露する。この話は、嘘っぽいが、今の技術なら可能なような気はする。昨今は、幸せになる波動の動画がスマホには溢れているわけで、簡単に自殺できる波動をそれと入れ替えることは可能のような気がするからだ。ただ、人間の脳はそれぞれに特徴があるから、ここにあるように全国で20万人が死んだみたいなことになるかどうかは疑問なところ。
で、野間口が作ったという不老不死の薬が入ったカプセルが出てきて、会場内の人々がそれを飲んで神になると言う話。まあ、これからの新興宗教はこのくらいのこと言わないと加入してもらえないだろう。創◯学会さん、I先生を亡くした後、やることはこれですよ。とはいえ、そんな組織の人が不老不死になっても迷惑なだけですね。
そんな中に、成海璃子が出てくるも、彼女は呪符を張られた操り人形。そんな中でヒルコが広瀬アリスを餌に藤原竜也を誘う。それに乗る藤原。そして、柿澤がヒルコの正体とわかるわけだが、ここにきて、広瀬に事戸を渡したのは広瀬自身だったとか、ヒルコの考えの及ばないところでことが進んでいったこともわかる。そして、藤原に呪符を貼る柿澤。で、これをどう解決するの?と言うところで、ユースケサンタマリア登場!出番は少なかったが、カッケー役じゃねえか!そして、神は信じないが、自分の愛した人が神だったと言われれば信じていいとか、何じゃいそれは!
で、最後は人間である広瀬アリスが鈴で藤原を呼び戻し、柿澤を倒すという流れ。広瀬自身に神の力がなくなっても、鈴にはその力があると言う理解でいいのでしょうか?
そして、ことは終わり、柿澤は取り調べを受けるが、彼、不老不死だから、死刑になったて死なないし、終身刑としても、ずーっと檻に中で生きてるんですよね。面倒臭い。
そして、藤原とユースケの会話。神の真偽についてユースケが聞くと「全て解ろうなんて人間の傲慢だ」と言うセリフが藤原から出てくる。ただ、祈りとか願うとか愛に対しては、神は助けると言うようなニュアンスのことを言う藤原。昨今の量子力学で説明されようとしてることはこの辺りのことだろう。そう言う意味では、神を語ることが、これからのトレンドになりつつあることは確かだ。
ラスト、藤原に事戸を受けた広瀬が藤原と町ですれ違う。広瀬の手には鈴がある。世の中には神が宿ってるものや空間は様々に存在するよと言うことか?こういうドラマをただのスピリチュアルなものとしてだけに昇華する人は多いかもしれないが、脚本家の描きたいところはもっと向こうなのだなという感じが好きなドラマではあった。
シーズン2京都編を作って、そのさきに劇場版みたいな流れもありかな?なかなか面白いドラマでした。