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「ライオンの隠れ家(第11話)」未来に向けて歩き出すハッピーエンドだが、ここまでのドラマの筋書きの意味がよくわからない。
ネットを見ると、良いラストだったみたいな感想が多いようだが、それよりも、こんなラストのドラマだと思っていたか?という方が大事なところ。とにかく、尾野真千子の偽装自殺事件で、その原因となる向井理は何をやったのか?というところが私はすごく気になったのだが、結局のところ、向井は尾野に対しDVをやったことが問題で罪を受けるわけで、会社のやばい話は蓋を開けぬままに最終回になってしまった。そういうところ、実際の今の政府やお役所がやってることと同じではないかと思う。本当のところ、山梨県にはリニアの利権でやばい話はいっぱいあると思うのだが、そういう方に話を持ってくとテレビ局的にはやばいのでしょうか?まあ、本当にこういう中途半端なのが一番つまらないですよね。
そして、最終的には、家族それぞれの新しい旅立ちが明確になって終わり。ハッピーエンドはいいが、今の世の中、そんなに上手くいかないぞと思った人も多いのではないか?
最終回は、柳楽優弥が黙って東京で自分を見つめ直すところから。そこで、桜井ユキに会うわけだが、桜井の記者としてのアイデンティティの回復みたいなのも、もう一つ中途半端な説明で終わってる気がする。
そして、柳楽が戻って、坂東龍汰との心の壁ができる。それぞれに自分に対し「これで良かったのか?」という思いがつのる中で、岡崎体育の結婚10周年記念パーティー。そこでたまたまだが、柳楽がスピーチして、坂東に自分の気持ちを明確に吐露できるシーンはこの最終回の中で一番良かったですね。ここが見せ場になってるところでフォーカスがはっきりしていないのが明確になったりもしている。
そして、柳楽は大学に入り直し、坂東は前回訪ねたホームに入り絵に取り組むことにする。それを応援する形のお姉さんの尾野真千子。まあ、最終回は最高の笑顔で演技していたし、やはりこの人の心情をうまく出す演技は好きである。で、彼女は就職しようとするが、でんでんの店で働くことに。そして、ライオンは小学一年生。桜咲く中で家族がそれぞれに歩き出す。よくまとめたといえばまとめたのだが、彼らを襲った嵐はなんだったのか?と考えると、随分と空虚な物語だったようには感じる。
私的には、齋藤飛鳥がすこぶる可愛かったことで見続けていた感じがするが、齋藤飛鳥主演のドラマ作ってくれよと叫びたくなる気分である。彼女の柳楽への思いの描き方ももう一つ中途半端だったよね。
そう、とにかく、このドラマ、役者たちはそこそこいい演技をしてるのに、構成が下手すぎるのと、何が言いたいのかのテーマ性が見えなすぎる。最近のテレビドラマ、こういう傾向が多くなってる気がするが、来年はテレビにとっては今年以上にきつい年になり、スポンサーも付きにくくなると思う。そんな中でドラマの脚本くらいはもう少しプロの仕事を見せていただきたいものだと思った次第であります。