
「モンスター(第7話)」聖地巡礼というのは、いつ頃から始まったの?
冒頭の相談シーンは、前回、趣里が大泣きした日の次の日の話らしい。そういう流れは嫌いではないが、どうでもいい気はする。まあ、ジェシーが趣里のことを「どういう人?」と思っただけだろう。あとで、今回の案件には関係ない古田新太がやってきて、「子供の頃もオセロで負けると大泣きしていた」という説明が入るが、彼は一体何者?感がまだ漂っているのは、ドラマの手法としてはなかなかよくある感じ。しかし今回の話、脚本の橋部敦子、なかなか攻めてるというか、色々と脚本家として、テレビドラマのあるあるがここに凝縮されているのでしょうな。とはいえ、最近は、アニメはともかくも日本のドラマで聖地巡礼までいったりことはなかなかないですよね。
今日、流行語大賞で「ふてほど」が大賞になったとのニュースありだったが、そんなに流行ってないだろうと思ったよね。みんなが一番耳にしたと思われる大賞は「裏金議員」でしょ!この辺りにも、いろんな圧力がかかってるのかもしれないが、どうなの?
で、ドラマの話に戻ると、冒頭は、その聖地巡礼で人が集まる公園の騒音被害に遭っているというご婦人の訴えから。そして、この話は横に置かれてしまう。まあ、今回の本当の案件である、和菓子屋のバイトの女の子が聖地でのイベントで感電してしまうという話を見せるためのきっかけ。
で、ここで傍観者でしかない趣里がジェシーを使って救急車を呼ぶのだが、これからして何か変?というか、こういう時のために主催者が対応しなければいけないと思うのだが、救急車に一緒に乗るのもジェシー。もう、脚本家は、テレビ関係者は自分のリスク回避しか考えてないよと言っているようなもの。ある意味、よくこんな脚本が通ったとも言える。
で、その感電した被害者の堀未里佳子が、テレビ局の責任者を訴えて1億円欲しいと言い出す。趣里は最初から、堀未のあり方に不信を感じて探り出し、着地点は、この感電事故自体が彼女の自作自演であり、それをした理由は、彼女自身がこのドラマの大ファンで、作り手が勝手にビジネスのために動くことが許せなかったという話。この辺りは、いっぱいドラマを見ている私としてはわからないではないのですが、それほどののめり込みをドラマの内容に感じることってあまりないですよね。やはり、出演者、そして演じてるキャラだと思うんだよね。
そう考えると、ここで示されるドラマ内の演技はなかなか陳腐。そして、聖地である公園も遊具のロケットが印象的ではあるが、恋愛ドラマとしての華やかさはそこにない。そして、聖地ビジネスで、主役が食べた饅頭ってなかなか笑いどころではある。
ある意味、テレビ局の現在の浅はかさみたいなものを描きたかったのかもしれないが、プロデューサー役の林泰文の本当のところもよくわからなかった。この間、「全領域異常解決室」で演じていたケサランパサラン飼ってる先生の方が良かったですよね。そして、この話、脚本家が巻き込まれていないのですよね。橋部さんとしては、その辺はあえて回避したんだろうね。でもそれって卑怯な気もするよね。そして、ドラマ的にも、このシリーズの中ではあまり面白くなかった。もしかして、初稿はもっと面白かったのだが、テレビ局に入り色言われてこうなったみたいなところはあるかな?でも、この枠、一昨年は「エルピス」放送していた枠なんですよね。関テレ、しっかりしろよと言いたい私でありました。