「厨房のありす(第2話)」目を見て話した瞬間にドラマが大きく開く感じが素敵!
突然店に入ってきて、いろんなことを無礼に聞いてくるような近藤公園のような男には、基本、ここでの門脇麦のような人間はダメだろう。そう、スピードが速いのがダメな門脇には、こんな頭の中で何も咀嚼もしないで言葉を発する男の気持ちはわからない。だが、彼女は彼の奥様の話は聞いていたわけで、話の本筋はゆっくり聞いていけばわかったりもする。ただ、自分の規則の話をして、そのことを一緒だと伝えようとするので、何かわからなくなる。
言葉で伝えることの難しさは、門脇も近藤の話が通じないことではなく、それにより心が通じないことだろう。言葉は言霊とはよくいうが、そこに心をこめて言うことが難しいのである。自閉スペクトラム症の彼女には、思うことと、言葉と、心が統合できないということなのだろうか?その本質を掴めば、彼女と会話ができると、今回を見て認識したのだが、それでいいのか?
門脇が一度は料理店に勤め、急かされると何もできなくなることに対して、きっと周囲はペースが合わせられないとダメだという認識をするのだろう。ある意味、マイノリティーにマニュアルは通用しない。そして、マニュアル通りの人材を探してる人には、マイノリティーなど人ではないということだ。この認識を変えようとするのはバリアフリーを考えるのと同じことなのだが、こういう精神疾患患者に対して個別に合わせるのは難しいのが現状だし、AIがいくら発達してもそれはできないだろう。多分、こういう人たちに与えられる仕事はAIで代替えができる仕事であり、そう考えると、彼らの仕事はさらになくなるという道を辿ってるようにも感じる。
ここでは、親がよくわかっていて、彼女のための店を作ったということもわかったが、父親?の大森南朋にしても、彼女の扱い方はまだ完全ではない。小さい時から付き合ってる前田敦子にしてもそうだ。しかし、前田と門脇の女子高生姿は、さすがにもう無理があるだろう。時が過ぎるのは残酷である。
そんな中で、門脇の規則をいちいちメモに取って覚えようとする永瀬廉が彼女とどのように触れ合っていくか?というのがこのドラマのテーマだということはこの2回目で理解できた。そして、化学は料理という結びつきだけは理解できている門脇が、そこからどんな奇跡を客に起こしていくのか?というのもこの物語のテーマなのだろう。
しかし、今回の「鯵の雑炊」あまりにも美味しそうで、自分でも作ってみたくなった。ホームページにレシピ欲しいな。
今期のドラマの中で、もっともハートフルなドラマに感じるが、母親と離れ離れになってることが、何を起こすのかは気になりますね。