「初恋と悪魔(第5話)」4人の結束と共に、過去に置いてきたものが混沌と湧き出てくるの?
やっぱり、このドラマは直球勝負の刑事ドラマではなかった。まあ、最初からわかってきたことだが、5回目にして、4人の捜査会議はなし。そして、突然の安田顕による、林遣都の監禁事件から、林が刑事に復帰する話にまで進み、結果的には、最後に、蛇女の松岡茉優の登場、そして、小説家であったはずの安田顕は弁護士だったという、突然の情報。もう、あっちからもこっちからも、枠に収まらないような変化球がどんどんぶち込まれ、よくあるパターンで、どうも次週から全く違うドラマに転換していきそうである。昨今の坂本脚本は何を考えてるかわからないという部分を常に含み、それが面白いかどうかは結果次第というところがある。
やはり、クレジットにある、ルービックキューブがバラバラで、もう元には戻せないのでは?というところまでかき混ぜようとしているのだろう。そういえば、クレジットに田中裕子の名があり「今回出演なし」とある。という感じは、レギュラー陣が一人でも抜けるとパズルは元に戻らないということなのだろうか?もはや、普通に気楽にテレビドラマを見ている人は、この辺りで落伍していくね。テレビドラマってそれでいいのか?と最近思う私であるが、こういう仕掛けが分かりにくくも癖になって、さらに面白いという感じにトリップできる時とそうでない時がある。今回の坂元ワールド、ある意味、訳がわからないし、先に希望が見えるような見えないような微妙な感じ。
そして、今日の監禁話。そして、林が住んでいる家が、歩いていて縁をもらった老婆(山口果林)から譲ってもらったという話が出てくる。そして、山口の復讐の話も。まあ、この話、ドラマ全体にはあまり影響しない話だろう。伏線などまともに作る気がない坂元ドラマなら、ただの余談だ。というか、安田顕が林を閉じ込めて何の得があったのかよくわからないところの方が重要か?先に書いた、安田顕が弁護士だった問題が、仲野太賀の兄が殺された話にリンクしてくる?いや、脚本家も、何書いてるのかわからなくなってないか?
仲野の兄がどうやって殺されたかという話も入ってくる。その辺りを整理して先に進めようというのだろう。そして、そこには、松岡の二重人格もリンクしている?今回の松岡は、仲野とラブラブな感じなものの「蛇女」の話は出てこなかったから、最後に林を知らない松岡が突然出てきて驚いたが、やはり、人格を二つ持つ女がいるというのは、このドラマでは結構重要なのだろう。
そんな中で、柄本佑と佐久間由依も、微妙な距離感で仲良しになっている。と、いろいろな要素を書き出して行っても、こちらの能力でそれが一つにまとまるわけでもなく、俯瞰しようとしても、色々隠れてて、つながらない。そして「大豆田とわ子と三人の元夫」と比べても、観ている方に心情的にシンクロしてくる部分も少ないから、もはや後半に期待も持てないし、「ああ、そうなの」という感じで終わりそうな雰囲気が怖いドラマである。
大体、カラオケで妙に一体感を持つこの4人、かなりの変態ですよね。