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「忍者に結婚は難しい(第11話)」忍者が社会を守る世界は必要なのかもしれない

市村正親と古田新太の対決シーンはなかなか緊迫感もあり良い場面になっていた。いわゆる、私が求める忍者劇はこれなのだが、まあラブコメにこれを溶け込ませるのは難しいですよね。

話は、鈴木伸之と菜々緒が伊賀から追われ、ともさかりえの別荘に隠れてるところから。後でわかるが、ここで刺された鈴木を治すために、菜々緒は秘術を使ったという。その場面は見せても良かったのでは?

そして、二人は市村正親の家に自ら臨むことに。ここでのアクションからの先に書いた古田VS市村のシーンに続く。こういうシーンを、全体としてもっとみたかったドラマではある。そして、市村が伊賀から総理大臣を出すという野望を持っていることがわかる。そして、その利権を取るために社会悪も平気でやる流れになり、それを成就させるために息子の命を守ることが必要だったのだ。そのために菜々緒に秘術を使わせようとするわけだが、それは鈴木のために使ってしまったというオチ。しかし、忍びである裏方の忍者が国のトップになろうとするとは、もはや仕事を逸脱している。そして、階級社会を重んじる伊賀文化があればこその野望なのだろう。この辺りはわかりやすい。

そんな話の流れで、一旦は敵になった勝地涼の助っ人もあり、市村はトップから陥落する羽目に。そして、孫の吉谷彩子は、最初の殺人事件の犯人であり、同じく捕まるのみという流れ。最後は、それなりにわかりやすくはあった。

そこで、離婚届を弁当と共に再度鈴木のもとに送ってくる菜々緒。そして、寂しく一人キャンプする鈴木のもとにやってくる菜々緒というラストで、最後までツンデレのまま二人は笑顔で抱擁するという感じ。まあ、キレイにはまとまっていた。

コミック原作だが、発想がそれなりに面白いから、ドラマの構成をしっかりさせればそれなりに良い作品になった感じはする。だが、前から書いているように、今ひとつ全体がギクシャクしてる感じなのですよね。最初の方は二人の離婚の話の方が優先されていて、それが邪魔で伊賀VS甲賀の図式が今ひとつわかりにくかった。また、最初から伊賀の総帥の野望がわかっていればストーリーもわかりやすかったかもしれない。そして、最初の殺人が行われる際に吉谷彩子の影みたいのを入れておいても良かったですよね。結局、積極的に人を殺めようと狙うのは彼女くらいなのだから、その彼女の不吉な感じのキャラを匂わせながら描いていっても良かった感じがします。

多分、原作の流れに沿って書かれた脚本だと思うのですが、テレビドラマはテレビドラマのリズムでということが欲しいなという話ですな。部分部分面白かったりするので、そういう意味ではかなり残念な気がしました。

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