「持続可能な恋ですか?〜父と娘の結婚行進曲〜」父娘同時婚活という今時をどう描くかというところ
「持続可能な恋」つまり、SDGsが叫ばれる時代、恋もサスティナブルでないといけないということか?いや、個々人の価値観がこれだけ多様化する時代に結構難しい話である。そして、主人公に持続可能性があまり見えてこない。まあ、松重豊の辞書編集という仕事には、地道なそういうプロフェッショナルの継続性みたいなものは見えるが。そんな感じで、この、結構私的には気に入ってるタイトルをどう活かすか?というのがドラマの成功の鍵にも見える。
主演は上野樹里。私的にはあまり食指は伸びない女優さんなのだが…。調べると、もう35歳なのですね。ふた昔前なら、その歳で婚活の演技などする女優さんはいなかっただろう。そのくらい、若い女優さんではこの話がファンタジーに見える時代なのかもしれない。そういうことは、視聴者に共感する人は多いとも思えるので、良いのだろう。一緒に暮らしている父、松重豊とのコンビネーションは良いようだ。
松重豊は、最近は多方面で人気者だが、「孤独のグルメ」のイメージが強すぎて、婚活してても、井之頭さんがパーティーに出ているような錯覚さえ覚える。そして、最近は、「カムカムエヴリバディ」の虚無蔵さんのイメージも残ってますよね。まあ、バイプレイヤーズの中でも人気者ですよね。そして、今回の役は辞書の編集者。この手の人間は、映画「舟を編む」で詳しく描かれていたので、松重さんのやってることはわかる。そして、この地味な仕事をしてそうな雰囲気は持っている。結局は、あまり、ワイワイと友人と熱く仕事をしているようなタイプではなく、個人的に追求するような仕事の役があってるのでしょうな。
その、死んだ奥様役が、八木亜希子。そう、上野樹里が八木亜希子の娘だというところは、妙に納得した。雰囲気似てます。八木さん、回想で芝居とかもするのでしょうか?
妻の法事が終わり、妻の手紙を見つけ、婚活パーティーに出ようという松重。そこで出会ったのが井川遥。なかなか面白い組み合わせ。そして、上野の周りには、田中圭と磯村勇斗。まあ、順当な組み合わせか?二つの婚活がどうシンクロしながら進むか?というところでしょうか?初回の流れはなかなかスムーズではありました。
ただ、ヨガのインストラクターをやってる上野樹里が、旅行代理店か何かで働いていた時の絵が挿入されていましたが、これは、彼女のOL時代の挫折なのでしょうか?まあ、こういう職場で、怒られた部下に「頑張って」というのは、上司として何も考えていないということなのですよね。最近は鬱の人にそれを言ってはいけないということがよく言われるようになりましたが、世の中、そんなに頑張らなくていいのですよ。「頑張って」を多発する人ほど、何も頑張ってない人ですから。
そう、その辺の上野のビジネス的な話や、松重の辞書編集の話の入れ込み方の塩梅も、このドラマの成否を握ってるようには感じます。とにかくも、つまらない恋愛ドラマにならないことを期待するだけ。それなりに楽しめそうな感じはしました。