「シッコウ!!〜犬と私と執行官〜(第4話)」 女性の執行官がいない現実。こういうことはまだまだ多くの職種にあるのだろう。
伊藤沙莉が、正式に執行補助の仕事をペット関係なしに受けるようになる。人の生活に立ち入る仕事ができるというのは人が好きでなくてはならない。彼女は犬好きとして出てくるわけだが、犬好きはまた人好きという感覚もあるのか(いや、私の経験ではそうでもないな・・)。でも、伊藤が執行を手伝うようになって、ここから後半戦また楽しみなドラマになっていくようだ。
しかし、ここまで見て、織田裕二のおじさん演技がなかなか面白い。今まで背中が丸まった役などやったことのない彼が、新機軸を築いている。自分で、トレンディドラマを揶揄するようなセリフを吐くのも、なんかしっくりいくところがいい。伝説の執行官役で渡辺哲が出てくるが、あんな味も出せる役者になれるかもしれないという感じがする。本人的にどう思っているのかはわからないが、織田裕二のここからの役者人生が何か楽しみに感じるのは私だけだろうか?
そして、今回の本題は、二人の子供を持つシングルマザー、さとうほなみが、執行から逃げようと執行官を惑わす話。まあ、最初に織田がさとうを訪ねた時に名前を偽ってるわけで、まあ、嘘つきは平気な人なのだが、実際に会って話すとごく一般の良いママなわけである。多分、リアルにもこういう債務に追われるシングルマザーは多いと思われる。でも、彼女、執行できる動産があるからまだいいものの、そういうものもない人がほとんどではないか?なかなかせちがない世の中を感じさせるお話でした。
そこで、伊藤と中島健人の話の中で、日本に女性の執行官が一人もいないという話が出てくる。つまり、この話のように女性を執行する場合にちゃんと話を聞いてくれるような執行官はほぼいないと言っていいのだろう。司法が男女の別なくして裁かれるのに、それを執行する人が男だけなのは確かにアンバランスなわけで、こういう世界がまだまだ日本には多いのだろう。色々考えさせられるドラマである。
そして、最近、実に重宝に使われる、さとうほなみ。少し真っ当ではない女の役をやらせたら上手い。いわゆる曲者役者の位置を明確にして存在感を示しているのだろう。言われないと、彼女がミュージシャンでもあることを知らない人も多いだろう。ミュージシャン繋がりの役者としても新しいものを感じる。今回は、意外に最後は執行官に従う役ではありましたがね・・。
そして、中島健人もなかなか新しい味を出してきましたね。元銀行員でそれが自分にあわないで、今の職場が居心地いいと言って、笑顔が絶えない感じが良いですね。確かに執行官の部屋は仕事の割にはギスギス感がない。実際はどうなのでしょうね。リアルなそこが気になる、ここまででした。
そして、板谷由夏、再登場。どんなザワザワを持ち込んでくるのか?楽しみなところです。