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「マスカレード・ナイト」オールスター映画は、それだけで楽しくなる。犯人役女優は好演!綺麗な犯人は好きです!

シチュエーションは前作「マスカレード・ホテル」とほぼ同じ。刑事とホテルマンという相容れないものたちが、犯罪の起こるホテルで事件解決する話。最初から、観客の目は誰が犯人だ?という見方でくるのだから、演出陣は、なかなか大変なところ。でも、まあ、息のあったスタッフなのだろう。今回もうまく料理しているといっていいだろう。もちろん、予算不足も感じるし、派手なアクションもないので、凡庸と見る人もいるだろう。でも、昨今のこの規模の日本映画はそれなりに面白いと私は思っている。デジタルでいろんなことができるし、いろんな粗みたいなものが表面化することはあまりないからだ。

そういう意味もあるのかどうかはわからないが、昨今の俳優陣も、昔のスターにバカにされるほど下手ではない。いや、私はそれなりにうまく演じる人が多くなったとさえ思っている。そんな中での、オールスター映画だ。昔は、映画会社が社運を賭けるように、お盆と正月にはオールスター映画を作ったものだ。映画会社にそんな力も無くなって、昨今、オールスターができるのはテレビ局資本であり、特にフジテレビはそういうのが好きですよね。そして、なかなか完成度も高くなりつつあると私は思っています。しかし、この映画大晦日の話ですよ。やはり、こういうのを正月映画として公開して欲しいものだと思うんですよね。昨今の日本映画には、季節感というものがほぼ無くなっている。まあ、映画が時節を映す鏡ではないということなのかもしれませんが、やはり、この映画は正月に見たら盛り上がるよねと思ったりしました。

そして、本編の話ですが、まあ書いたらネタバレになります。ということで、これ以降は、まだ見ていないで、犯人を知りたくない人は絶対見ないでください。

(これ以降ネタバレです)

舞台は、前作と全く同じホテル。ということで、またまた登場の木村拓哉は、なぜか、ダンスレッスン中!これに意味があるのだろうなとは思ったが、まあ綺麗な伏線回収だった気はします。しかし、冒頭の木村拓哉と中村アンのダンス、なかなか決まっていました。キムタク、次はダンス映画作ったら、結構いける気はしますよね。

そして、事件が起きて、ホテルの大晦日のカウントダウンパーティーに犯人が現れるという。そして、そのパーティーが仮面舞踏会。まあ、観客が混乱を予測できるような設定。実にシンプルでわかりやすい。ということで、後は誰が犯人か?

最初に出てくるのが、田中みな実。結構怪しそうな感じで出てくるが、窓から見える明石家さんまの広告に文句をつけて終わり。彼女にもパーティーに出て欲しかったですね。そういうのが結構あって、最後のパーティーの盛り上がりが少し弱いところはありました。そう、パーティーにはもっといろんなゲストも混ぜてほしかった。

まあ、怪しい人が色々出てくる中で、警察は着実に犯人を特定していく。この流れはわかりやすく、怪しい人がそれなりに事件に絡んでいるので、面白くみれた。ただ、最後のオチとして、時計が出てくるのだが、それなら、もう少しその道具をうまく使った方が良かったのではないか?と思ったりもした。最後は、時間との戦いになるのだが、そこに引き込むところがいまいち弱いのと、何度も出てくる壁の時計についてももっと印象深く描いた方が良かった気はした。オチの話もセリフで語っている伏線だものね…。

そして、最初に犯人というか、通報者として捕まる、木村佳乃。最近は、本当にこういうヒールな役を喜んでやっているような感じですね。あまり同じような色はつけない方がいいと思うのだが、まあ、本人が好きでやってる気もするのでいいのだろう。

そして、その友人であり、夫の浮気相手の高岡早紀は、いつもの妖艶な役だが、最後にロリータファッションを着せられるとは、なかなかお似合いで良かったです。この人、最近、朝ドラにも出てるけど、いろんな顔を見せられるようになりましたよね。これから、もっと面白い女優になりそう。

そして、真打ちの犯人役は、女優A(まあ、ここはイニシャルにしておこう)。どちらかというと警察側の役が多かったりする彼女だが、なかなか、妹を殺され狂気に堕ちた女役。そして、日頃は男性として生きているという倒錯した心の持ち主を見事に演じきっていた。というか、まあ、結構な数あるシーンが皆印象的。最初は、実に美しい女性として出てくる。そして、最後に木村拓哉に取調べを受けるときのしたたかさは見事。この一作品で実の多くの表情を見せてくれる。彼女の仮面はいくつあるのか?という感じ。このキャスティングで、この映画は成功であった。そう、彼女の仮面を剥ぐ話だったのですよね。

全体として、木村と長澤のコンビネーションは見事ハマっているし、まとまりも良い映画である。まあ、最後は、木村と小日向が新年の朝、ホテルを出て別れるシーンで終わりで良かったのではないか?。クレジット終わった後に、軽く長澤がアメリカに向かうのを送る木村があるだけでいいような気がする。なんか、最後がダラダラしているのがすごく気になった。

まあ、それなりに面白かったから、もう一本続編もアリかもね。作ってみて欲しいです。



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