「GTOリバイバル」1時間半の中に盛り込みすぎたが、26年前と時代が変わったことは描けたかな?
まず、前作というか、テレビシリーズが放送されたのが26年前だとは、まあ、皆さん歳をとったというか、変わらないというか、そういう時間を忘れる感じのスペシャルではあった。反町隆史、この前までうだつの上がらない病理医師をやっていたが、そこからあまりテイストに勢いはついていない感じで、感情的な激しさも弱くなった感じはする。それだけに、親しみやすくなった感があったが、そんな年齢よりももっと学園を荒らしてほしかった気もする。
そして、考えれば26年前はまだ20世紀であり、そこには携帯電話の存在はあったが、今のようなネット社会が来るなど誰も想像していなかったこと。考えればその頃の18歳は42歳。色々考えてしまうし、こんなスマホだらけの高校生の気持ちなど分かりたくない気もする。
そう、今回の話は「裁ノカ笑」というYouTuberの話が中心になる。それが世の中を変えようとする感じはこの前までやっていた「マルス」に似ている。ある意味、これは、いじめという隠れた領域を世に晒すことであり、リアルでもこう事象は増えていくであるようには思える。そこに、立ち向かう反町がまだガラケー持ちであることで、変わった人に見せてる感じはするがそれは必要?と思うことは多い。そして、バイクがエンコしたり、最後も使った車が動かなくなる、お決まりのシーンを使って懐かしさを出す的な手法もあまり私的には面白くなかった。
そして、学内では小手伸也が嫌がらせ上司で、新しいマドンナが岡崎紗絵ということなのだろうが、小手のこういうお茶らかせ演技は最近飽きてきてるし、岡崎では反町相手にする迫力はない。そう考えると、松嶋菜々子は当時もそれなりに破壊力がある女優だったし、今回のラストに出てくる彼女もなかなかエレガンスで素敵だった。夫婦仲も悪くなさそうに見せるパフォーマンスだとしてもなんか爽快感を持ったラストは良かった。
あとは昔の教え子の、池内博之、山崎裕太、窪塚洋介、小栗旬らが同窓会的に集まったのがこのドラマの最高の意味合いなのだろう。しかし、窪塚、最高に個性的に歳取ってるな、本当に死なないで良かったよ。そう、彼が出るのなら、息子を生徒役にしても良かった気がするし、絶対にスタッフは考えただろうが、そうならなかったのは、何かの親心?
そう、生徒側ももうひとつ地味である。ネット配信の犯人の八木莉可子は最近露出は増えてる気はするが、もうひとつ地味な感じもする。私的には期待している畑芽育も、パパ活でお金を稼いでる女子高生役というところを暗く演じてるだけで、彼女の良さが出ていない感じ。男では、一人ひねくれてる日向亘も、未来に向けた何かが中途半端な感じで勿体無い。
あくまでも、このドラマは反町の周辺の同窓会であり、生徒側を強く描いて次期シリーズに向けるようなドラマではないということだろう。だから、学内の話を起点にしているが、そこに大きく突っ込んでいかない感じ。だいたい、反町がほとんど学内にいないだろう。
最後の八木の父親である鈴木浩介の汚職の話も、なんかそれ自体を世の中に晒することは、今の政界への批判的なものもあってのことだとは思うが、ドラマの中で大きな印象を残す感じでもなかったですものね。
結果的には、反町がチェーンソーを持ってパパ活してた生徒のブランドバッグを壊すようなところだけが印象に残り、「GTO」というドラマがそういうドラマであったことを再認識したという結果であった。でも、久しぶりの同窓会がうれしく思えたファンは多かっただろう。そういうリバイバルだったということならそれでいいよね。
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