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「ドリームプラン」ウィリアムス姉妹に対しての思い入れみたいなのがないと感動篇にはなりにくい?

皆さんご存知のアメリカのテニスプレイヤー、ウィリアムス姉妹のプロデビューまでのサクセスストーリーである。私は、テニスに関してはやるのも見るのもほぼ興味ないのだが、ウィリアムス姉妹の存在は知っている。だが、彼女たちは日本では人気にはなりにくかったと言うのが多くの意見ではないか?日本では、やはり人気の点でも黒人はなかなか難しいところはある。それは、大坂なおみに対しても同じようなものを感じる。日本における差別問題は確実にあるわけで、それは見えにくいから厄介だったりもする。まあ、テニスと言うスポーツが日本でいまだにそれほどメジャーではないと言うところもあるだろう。そう、スポーツそのものよりもプロに対する位置付けは世界に対してのCMタレント的位置の方が日本では大きいのかもしれない。

そんなこともあるのだろうが、金曜日の平日、東京郊外のシネコンの一番大きいスクリーン(442席)で見るも、観客は10人程度。興行の箱の仕込みにはそれなりの理由があるのだろうが、アカデミー賞候補の作品がここまで入っていない現実は、なんなのでしょうね。まあ、テニス映画にも、ウィリアムス姉妹にも興味がある人が少ないと言うことなのでしょうか?まあ、ウクライナ戦争報道が広がる中で、映画をうかうか見ていられないと言うこともあるの?

で、映画である。二人のプレイヤーのサクセスストーリーというより、変わった父親とその家族のサクセスストーリーということなのだろう。主演、ウィル・スミスがテニス経験もなく娘たちをプロにして頂点に誘うという夢想は、まあ、それが強いことで人生は変わるという世界なのであろう。だが、これ、家族が娘がそこについていかなくてはいかない。それが大きな破綻せずに成就する姿は、やはり家族愛的なものが引き寄せた世界なのだろう。そういうこともあるという成功例を見せてくれる映画と考えれば納得はいく。

そして、コーチがつくも、それは姉のビーナスだけ、妹のコーチを母親がやってのけるというのもなかなかすごい話である。そして、暴走する夫にただ意見できるのも、この母親であったことはよくわかる。映画としては、このかなり変な家族というものを描くことがミッションだったのだろう。人生の成功を掴むやり方はそういうこともあるということなのだろう。この映画が伝えたいことはそういうことだと思った。

だから、いわゆるテニスの上達を描くようなものとして見るとつまらないし、日本に根付く梶原一騎のスポーツ根性ものでもない。そういう意味で、映画全体のテイストが私にはそれほど興味深いものではなかった。そう、あくまでも、これは、ビジネスの成功には「絶対的な計画書」が必要で、それをブレずに確実に実行することが必要であり、そのためには組織がしっかりしていなくてはならないという話なのだ。

それを成就させたのは、差別に喘いだり、他人からは変人扱いされたり、一般的な常識を疑うことが必要だというのが、この映画からは読み取れる。

ウィル・スミスと母親役のアーンジャニュー・エリスがアカデミー賞にノミネートされているが、これには納得はできる。実在する人物をとても素敵に演じていると思った。


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