「グレイトギフト(第5話)」殺された奴らは治験者?殺人チーム結成の暴走は止められるか?
なかなかエグいラストでしたね。ここがドラマの折り返し点でしょうな。ここまでが、ギフトの治験ラウンドであり、そして本番が始まる。その時点で警察の尾上松也も明確に殺人球菌の存在を確信しているという流れ。
それは、ある意味、ここまでのまとめみたいなもの。ここまでで「ギフト」のことを知ってる人間は集められた佐々木蔵之介、津田健次郎、筒井道隆、倉科カナ、波瑠、そして反町隆史の6人。院内で他に知ってしまった2人はもはやそれにより殺されてしまった。院外では、倉科の店のボーイが知っているのかどうかというところ。
この「ギフト」知ってしまったら、使いたくなって仕方がないという代物。そして、それを司ったものが帝王になれると錯覚する。そして、その存在を知ったものは「ここだけの話」と言って、誰かに話したくなる。つまり、この存在を隠しておけるものではないというところがドラマのミソである。人間の欲望は正直に発火し、燃え広がるのは早く。その火は、自分に向かって攻めてくるという流れ。わかりやすいドラマである。
そして、この時点ではやはり佐々木蔵之介が帝王ズラしてここにいるということ。なんと言っても、彼はここまでで、その手で二人を殺めている。津田の言い草ではないが、医者は何人もの死の瞬間を見てきたから、殺すことに対しそんなに嫌悪感はないのか?この辺りは多くの医師に聞いてみたいところ。精神が麻痺するのはわかるが、金や利権に対する麻痺はないということだよな。
で、今回、片山萌美を殺したギフトはどこから出てきたものか?そう、佐々木がデスクに隠してるやつ。そこに波瑠が絡んでる?私が思うに波瑠は最後まで反町の味方であると思う。そして、この殺人ミッションにおいて、一番強いのはギフトを培養できる人間だ。そういう意味で、佐々木や津田は反町を馬鹿にしていて、コントロールできると思っているのは甘すぎる。
そのコントロールの一要因だった反町の妻、明日海りおへの献身は今回でどうでも良くなった部分もある。浮気相手が津田だったことで、彼女を護ることが絶対でもないのだとは思う。(ただ、反町はそういう復讐はしない人格にできてるようだから、それはないだろう)
しかし、津田が明日海と片山という、全く雰囲気も体型も違う女をいっぺんに愛してるとは、ある意味、できればなんでもいい男の感じにも見える。女に好きだと言わせて欲望を満たす男なわけだ。そういう意味でも彼は小物に描かれてるから、やはり先に殺められていきそうな感じだ。津田が佐々木を殺めるようなことにはならないだろう。
一番、心が読めないのが倉科カナ。最初の殺人が倉科の愛人だったことを考えたら、彼女が真犯人を知ってる説はまだ消えない。しかし、倉科、クラブのママでいい女という大役をなかなかうまく演じている。色気があるのは最初からだったが、こういう大人の役は初めてだろう。彼女のいるクラブなら言ってみたいと思わせる雰囲気はなかなかだ・・。
とにかくも、邪魔な奴は消してやるというのがこのドラマだ。そして、そんな証拠が残ってるのに殺人を証明できないような事件に尾上松也が気づいたところで、復讐編に移るということらしい。後半戦はもっと裏切りや疑いの闇に入っていく感じがするが、その中で何もできなかった反町がどう動くのかがポイントでしょうか?今期のドラマ前半が終わるところで、最も後半が楽しみなドラマではありますね。