「新宿野戦病院(第8話)」ハプニングバー、コンカフェ、ストーカー、無差別殺人
今回は、シリーズの中で一番面白かったかもしれない。というか、歌舞伎町であるからゆえに納得する話というところだろう。まずは、高畑淳子がスマホを使って、自分のスマホがあるところを探してる話が、なかなか沁みる。自分も、スマホを見ながら、スマホはどこ?と思ったことがあるからだ。そんな間抜けな話から、ほぼ隣のハプニングバーに高畑の夫がいるということが掴める。そして、高畑さん、仁義なき戦いのテーマにのって、着流しでハプニングバーに向かう。ここ、意味不明だが、画的にはなかなか良かった。しかし、このドラマの高畑さんの白木役、弾けていていいですよね。医者じゃないのに、医者より目立つみたいな。
そして、ハプニングバーはどんなところかよくわからなかったが、まあ、歌舞伎町らしいいかがわしいところとは思った。そして、そこに夫のおかやまはじめは発見されず。話は同じビルにあるコンカフェで働く女の子がストーカーに追いかけられている話に変わる。また、コンカフェって何という話になるのだが、コンセプトカフェの略らしく、メイド喫茶の発展系のようだ。そして、ちゃんと指名制だし、勘違いな男はいっぱいきそうな感じ。何が面白いのかは、いまいち不明。こういうのなら、昔々のノーパン喫茶の方がわかりやすいですよね。で、そこに現れるおかやまはじめ。つまり、彼はコンカフェに出入りしていたのだ。まあ、スマホのGPSで追いかけてこういう間違いは結構ありそう。
で、ストーカーがそこにいるのはわかるが、なかなか真面目な男のよう。そして、逮捕もできない。そんなところにまごころのみんなで行った後で、大きな爆発音が響く。そう、今回、爆発シーンは一回も出てこないのに、この爆発音だけでただごとがないことが起きたことが表現される。これ、いいですよね。元の脚本も爆発シーンがないかはわからないが、これで十分な気がする。
そして、一気に医療ドラマに転換。患者をトリアージして運ぶというところで小池栄子がやる気十分なのが最高に面白かったが、それ以上に看護師姿の伊東蒼がお似合いでした。というか、これ着ると色っぽいですよね。この娘。数年経ったら、結構恐ろしい女優になりそうだ。
で、そこに運ばれるストーカーの男。彼が爆破犯人ではないかと皆が思ったが、監視カメラからもう一人怪しい男がいることがわかる。その患者もまごころに運ばれていた。話としては、彼は生きるのが嫌になって死にたかったという、無差別殺人ケース。そんなどうしようもない男を助けないといけないことに、仲野太賀が最後に「社会は平等じゃないけど、命は平等だから虚しくない」と吐く。考えれば、歌舞伎町など、人生の虚しさの吹き溜まりみたいなところである。なかなか社会性の強い医療ドラマ的なまとめ方に、クドカン、意外に真面目にクライマックスを描いてきてるなと感じた。残りの回が楽しみである。