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「大川と小川の休日捜査」松重豊と濱田岳の凸凹コンビで魅せてしまいますね

タイトルからしてすごく勝負してるドラマには思えない。昨今、作る数だけは増えてるテレビドラマだが、なぜこういうものを作るのかはわからない。まあ、2時間ドラマ全盛の時のドラマタイトルなど、似たり寄ったりで、新聞のラテ欄で読ませて、視聴者が気になればいいみたいな感じだったものね。まあ、そんなテレビの事情はどうでもいいが、この手のドラマが作られてるうちは大丈夫なのか?いや、絶対に大丈夫ではない。

で、このドラマ、松重豊の元刑事と濱田岳の現役刑事が休みの日に、キャンプに来るというところから始まる。松重が今、警務部で、「休みをしっかり取りましょう」キャンペーンをやってるので、そのお手本になることをやろうと山梨のキャンプ場に来たという設定。そして、キャンプなどやったことのない二人が、買い込んできたキャンプ道具を開くと、その道具が何に使うかもわからない。というところに、一人でキャンプしにきていた比嘉愛未が優しく教えてくれる。まあ、こんな美女がそんな時に教えてくれるなど実際はあり得ない話だと思うので、すごく、このシーンが印象に残る。そこはドラマの発端として、すごく上手い。

そして、それにかぶるように、東京で殺人事件が起こり、犯人が失踪。濵田のところにLINEがやたらくる。最近は、こういう別の場所を繋ぐのにドラマでLINEを有効に使うが、警察が業務でLINEなど使ってはダメだろう。大丈夫か警視庁!と突っ込みたくなる事件の始まり。そのくらいゆるさを感じるドラマだった。

そして、その後、比嘉が行方不明になり、その事件に巻き込まれる松重と濵田。まあ、ここまで見て、この二つの事件は重なり合っていくのだろうなということはわかる。だが、そこで比嘉を見たという男(ベンガル)が警察に来て、神隠しにあったといい、その後、彼は比嘉が自殺したみたいだということも教えにくる。ベンガルがやることなので、嘘っぽくていいのだが、そんなところから、比嘉が生きてるということを勘づく松重さんはなかなかである。

そこから、東京の事件と人間関係が繋がって、17年前の比嘉の父親が亡くなった事件に行き着く。この父親役が、「マル秘の密子さん」で犯人やってた石井正則。今回はセリフもあまりなく、ほぼワンシーンと回想で存在感を示している。なかなかすごい。

ドラマの答えは、シングルマザーで子供を育てなくてはならなかった筒井真理子が、レストランのオーナーの山西惇と組んで、大企業に勤めていた石井を使って、株の操作をして儲けていたという話。その昔の事件の証拠があり、それでバレそうだったので、殺しをやったというお話。特に目新しい話ではないが、二つの場所で起こった事件が、重なり合っていくのは面白くはあった。

あと、松重と濵田という芸達者、二人のコンビの捜査劇は楽しかったが、それを前に出すために、警視庁のやってることがバカっぽく見えてしまうのは、ドラマを柔くしてしまいますよね。その中でも、初めから新人でよくわかっていない役の石井杏奈は可愛かったです。いつもの気の強い感じのところがないからでしょうが、この娘も存在感はありますよね。

ある意味、2時間ドラマ量産期なら、このコンビでシリーズ化になったのでしょうな、そんなドラマでした。

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