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「TOKYO MER~走る緊急救命室~(第7話)」新章開始で、日本の本質の劣化を描こうというのだろうか?

ラスト、新たなる人物として城田優が出てくる。彼が何者なのか?テロリスト?その向こうにある現在の日本への危機感の提示?今回を見ることで、ドラマのニュアンスが少し変わりつつあるのはわかる。

今回から出てきた公安の稲森いずみは、ビザなしで不法な就業をする外人の命など護る必要はないとはっきり言いのける。実際の日本でも、ホームレスの命を必要ないと言う人がいて問題になっているが、なんか心の中でシンクロするものがあった。「命」とは何か?それは、人種や貧富の差で分けられていいのか?実際の日本人の中のどれくらいの人がこういう心情を持っているのだろうか?とても気になったりする。

今の自民党政権の国民に対する考え方も同じ様に考えると、本当に怖い事なのだ。「自分だけ良ければいい」という短絡的な考え方をする人が、靖国に行って軍神(と言われるもの)を追悼したりする。本当に理解できないことが多い。私は、戦争に散った人々は靖国には帰っていないと思う。魂は故郷に帰ったはずだと思うからだ。

そんなイカれて迷走する現代に、医療の正義をぶつけてきたのがこの第7話。まだ、こういうドラマが作られ放映されることはテレビが終わっていないということか?テロの通報があり、爆発現場を包括しようとする稲森。ドラマで久々に見たが、格好いい。彼女が初期に「29歳のクリスマス」に出てきたときは、こういうクールなイメージだったな?と思い出した。そして、彼女が鈴木亮平を知っていたことが、このドラマを違った方向に動かしていくということだ。鈴木の履歴の空白の時期に何があったのか?謎は結構、深い闇のようだ。

そして、今回の秘密裏のテロ対策で、都知事の石田ゆり子が官邸に呼ばれる。国の威信をかけたくない政治家たちは、都知事の判断に委ねる。石田は迷いながらもMERに全てを託す。そして何時もながらのMERとレスキュー隊の合同活動。皆が、外国語を使いながら被害者を救っていく姿はなかなか圧巻。そして、上の命令で救助の手伝いに動かない警察官をフォンチーが動かす姿はなかなか感動的ではあった。フォンチーがこの役をやることが重要なのだ。彼女自身がこの回の脚本をどう思ったかは聴きたいところ。彼女「MIU404」でも不法入国絡みの事件の回に出ていましたよね。こういう役者の方を出すことで、日本のこの問題の本質に興味を持つ人が増えれば良いとは思う。

MERの救出作業は無事完了。石田ゆり子は、大きな難題から抜け出す。そして、渡辺真起子に、官邸の主になる気?と問われ「正解」と言い返す。こんな都知事がいたら、それなりに未来は面白い気もする。本当に実際の「百合子」の頭のなさが悲しくなるよ。

ニュースでは、テロリストなどという言葉は使われず柔らかいニュースとして処理され、MERにも口止めが入る。実際の日本もこれに似た話は多くあるのが現代社会なのだろう。コロナ禍で、そういうことはさらに増えていると思う。情報過多社会は、情報隠蔽社会でもあることを我々は十分に認識する必要がある。

とにかく、なんかわからぬ方向に動き出したドラマ終盤。日本にガツンと皮肉を言ってくるような脚本なら、大々的に問題視されるようなものを作って欲しいものだ…。そこまでは、難しいだろうが…。

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