「あのクズを殴ってやりたいんだ(第9話)」最終回前に玉森裕太の未来を塞ぐ展開が刹那い
前回、奈緒がスパーリングで吉本美憂にKOされ、話は病院に。斉藤由貴と鳴海唯が駆けつけ、玉森裕太も来る。ここで、小関裕太がすぐに駆けつけないのは、もうここで負けてる感じはする。その流れで、奈緒は彼に「付き合えない」というわけで、それは話をごちゃつかせなくて良いと思った。
で、なんか、小関と岡崎紗絵が仲良くなってきてますよね。これは最終回にサプライズか?男と女など、色々すれ違った後に、すごく気になったりすることもありますものね。
そして、奈緒のスパーリングの相手の吉本がKOしたら100万円くれると言われやったと吐露する。そして、週刊誌に昔付き合った女のことを書かれる玉森。全ては、倉悠貴が行ったことで、倉は身を隠す。
この辺りで玉森は気付いてるわけだが、彼の戸惑う感じというか、自信をなくしていく演技がとても良い。そう、そんな中で玉森が写真の新人賞を取ってそれなりに華やかなシーンの中に倉が現れる。そして、彼の兄貴を殺したことを徹底的に責められ、結果的には前の自信喪失していた玉森に戻ってしまう。
ある意味、立ち上がれないように、1ラウンドの中で3回倒された感じ。そういう、弱い男の姿を何故にこんなにうまく演じられるの玉森くん。そんな、あなたが今回のラストで前に進めなくなるような感じまで落とし込んでるのは、演出があるにしろ、なかなか惚れてしまいますよ。そう、最後のこのシーンがあるから、その前の奈緒の病室に来て抱きしめるシーンがたまらなく刹那いのだ。脚本的な構成は決してうまいとは言えないが、それを玉森がうまく演じることで、最終回に続く上手いブリッジができたという感じがした。
構成がうまくないと書いたが、病室で殴られる夢を見る奈緒とか、娘のことを気遣うが、初めて自分から挑んだボクシングというものに感謝もあるような斉藤由貴。最近、斉藤はこういう変わった母親役が多いが、なかなか多重構造の母親をうまく演じている。こういう母親をやらせたら、もう彼女しかいない感じもする。
で、今回は倉と玉森の確執の話のまとめだったわけだが、今まであれほどイジメに精を出していた玉井詩織が出てこないのはちょっと寂しい限りだった。彼女の役はイジメを徹底的にやって最後にギャフンと言わされる役かと思っていたので、その辺は残念。次回は最後にイジメをかましてもらえるのでしょうか?
とにかくも、ラストは奈緒のデビュー戦がクライマックスのようだし、そこに玉森が立ち直ってカメラをむけることができるのか?という話のようだ。とにかく、ボクシングドラマとしては良いラストを作ってほしいところです。