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「日曜の夜ぐらいは...(第9話)」友情と男性独占禁止法と新しい家族的な流れ

先週の話の流れで、仲間たちが同じ集合住宅の中に集まってる風景。まずは、主役の三人が岸井の部屋で一緒に寝ていたり、和久井映見と宮本信子が一緒にいるのも楽しそうだ。そんな中に、岡山天音が自然に存在するのが面白い。脚本の岡田惠和は、家族という組織が血筋の流れものだけで一緒に暮らすものではないと言っているかのようだ。彼の脚本には、今までも多くののいろんな物が抜けた家族みたいなものが描かれてきた。そんな、歯抜けの家族が集合住宅に集まって、一つの家族のように暮らすみたいな理想を描きたかったというのはあるだろう。そして、その生活が楽しそうに描かれるのは、都会の新生活のあり方を視聴者に提示しているようでもある。

今回はカフェ本体の準備よりも、いろんな過去の精算的な話が出てきた。最終回前に整理しておきたいことをやったということだろう。和久井映見が夫だった尾美としのりと久々に対峙するのもそういうことだろう。尾美は、男から見ても、典型的なダメ人間である。自分の今の状態があるのを絶対に自分のせいには考えない。だから、自分軸が嘘で固まっていき、過去と別れができない。そんな男に別れてもつけまとわれる和久井は、尾美にビンタをかます。そのシーンの前に、ヘルパーと騙った宮本信子が車椅子の人には目線を合わせないといけないと言ったのは、ここに持っていくためだったのだろう。ここでの、尾美のダメ男の演技は秀逸でありすぎて、もう、この人は絶対にこの地点から上に行くことができないだろうなという感じである。彼を最後にどう描くのだろう・・。描く必要もないと思うが・・。

そして、宮本信子は、最後にスタンガンを買ってカバンに入れるシーンがある。退治する対象は矢田亜希子なのか?その矢田が今回は出てこなかったのは、きみ悪い感じもする。しかし、高齢者がスタンガンなどを簡単に入手できる時代だと考えると、怖いと感じるのは私だけだろうか?

そして、今回のメインストーリーは、岸井ゆきのの誕生日にサプライズでお祝いするところか?とにかく、この主人公3人は、こういうことにあまり縁がなかった3人なのだろう。こういうサプライズの仕方も今ひとつ間の悪さみたいなものがあるのが、脚本の妙というところだろう。そう、普通に自然に誰かの誕生日を祝える余裕のない人はこの日本では日々多くなっているのではないか?岸井の喜び方を見て、そんなことを考えた。

そして、こんな美女3人と色恋抜きで付き合える岡山天音。世の中の恋愛感情が多岐に渡るなかで、こういう男子も増えてる気はする。自己承認欲求を満たすことで、組織の中で満足してしまうような・・。ある方向から見ると、面白くない人にも見えるのだが、まあ、人として優しいだけなのが何故いけないの?という問いなのだろう。

店のインテリアがだんだん固まってきて、次週の最終回はオープン。そこに、岡田惠和はどんな風景を視聴者に見せようというのだろうか?楽しみでしかない。

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