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「ペンディングトレイン~8時23分、明日 君と(第8話)」時間を戻る仕掛けが今ひとつなものの、着いた場所がドラマだったのですね
ドラマは8回目だが、もう時間を戻る話でクライマックスを迎えるような感じだった。と思ったら、着いたところが2026年。つまり、ここから彼らが地球を救えるかと言うドラマなわけだ。あまりそこまで予期していなかったが、実際に描きたいのはその心理的なものなのかも知れない。しかし、最初の回の最初のシーン、上白石が赤ちゃんを抱いているシーンを見ると、帰れるのは帰れるのだろうなと思う。そして、なんとか地球は救われるのだろう。そして、この赤ちゃんのお父さんもわかるのはここからと言うことですね。
前回、ワームホールを視覚で確認したことで、皆は時代を遡ることに必死になり出す。しかし、その夢物語を皆が信じないというやりとりはなかなか真実味があったと思う。いわゆる物質伝送機に乗るようなものなのだ。そして、この原理が成立するなら、タイムマシンは実現可能な話になるわけで、もう一つファンタジー性に対する科学的な考察が足りない感じが脚本を弱くしている。そして、前々回出てきた、間宮祥太朗の話が今回は全く出てこない。現代からのアプローチも全くなかった。こう言うところで、脚本は今ひとつサスペンス感を出せていない。
そして、ワームホールを出すためにエネルギーが必要なわけだが、そこに、とってつけたように電線の残骸が出てきて、それを辿って、電力源を探す話になる。やるしかないのはわかるが、なかなか砂漠の中での未知な探し物である。そして、変電所の看板を見つけ、そこの電源が結構簡単に動き出すのも、話としてはもう一つ面白くない。ここで、突然、大西芳礼さんが電源を操作し出すが、この人、何やってた人だったっけ?これを彼女にやらせる意味が今ひとつわからなかった。
そして、意外と簡単に電車に線を巻きつけて、ワームホールが出てくるまでにしてしまう彼ら。天才ではないが、神様の思し召しと考えればいいのだろう。しかし、今回は全く6号車の話が出てこなかった。彼らもそんな戻る方法は考えていたのではないのか?最後に、二人、無理やり乗り込んできたのも、どこかで監視させていたせいだとは思うが、2人だけやってくるところのドラマがないのはね?まあ、この先、この2人は何か働きをすると言うことだろうか?
確かに、帰るか帰らないかという葛藤があるのはわかるが、山田裕貴が残ると言うのはもう一つ分かりにくかった。古川琴音などは、結構キャラとしてはじっくり追われていたのだが、彼女の心の中も、視聴者には今ひとつわかりにくい。そう言う個々人のキャラの描き方って、パニック映画みたいなものでは結構重要なのですよね。ここまできて、あまり視聴者がシンクロできそうなキャラが出てきていないと言うことなのですが、それが、今ひとつドラマの高揚感がない理由なのでしょう。
そして、2016年にきて、皆に危ないと言うのでしょうが?地球を壊したのが隕石なわけでしょう。そう簡単に対処できるとは思えませんよね。「妖星ゴラス」のように地球の軌道を逸らすとか、隕石自体の軌道を逸らせたり、爆破させるとか、そう言う昔ながらのSFになっていくわけで・・。まあ、ここまでの流れを見ると、そう言う科学的判断の部分に何も期待できないところがあり、でも、面白そうでもあり、傍観しましょうか?と言うところですね。