「恋なんて、本気でやってどうするの？」広瀬アリス、松村北斗、ある意味旬の二人でどう現在の恋愛ドラマを構築するのか？

浅野妙子脚本のオリジナル恋愛ドラマ。一昔前は、こういう多人数恋愛ドラマってよくあったけど、ここのところあまりみなかった気がする。初回はそれなりにテンポもよく、広瀬アリスをはじめとした出演者たちも、至って良い感じに芝居をしていた。話的には、王道の恋愛劇なのだろうが、こういうのをこの若い出演者でどう描いていくのかは興味がある。

広瀬アリスという人は、こういう恋愛下手みたいのがすごく似合う人である。そして、だからこそ、仕事ができる風な雰囲気もあるのだろう。友人の西野七瀬、飯豊まりえ、3人の生き方の違いみたいな差異もそれなりに描けており、その中で、広瀬が主役としてちゃんと前に出ている感じは彼女の成長を感じたりもした。

そして、その相手役？朝ドラ「カムカムエヴィリバディ」で俳優として全国区になったと思われる、松村北斗、しばらくこういう二枚目路線で行くのかい？私的には「レッドアイズ」で見せたアウトロー的な演技の方向に行ってほしいのですけどね。どうも、世の中がそうは動かないようで。しかし、この女たらしは、「カムカム〜」で安子の友人、きぬちゃん（小野花梨）とベッドの中で朝を迎えていたが、この配役は狙ってる？

初回は、広瀬が想いを寄せていた古川雄大に振られてしまい、松村に引き込まれるが、そうは行かないというラスト。こういう微妙な駆け引きが多いドラマらしいけど、まあ、そういう男女の細かいせめぎ合いに時代の流行りもないだろうから、まあ、いいけど。でも、結婚の２次会での、広瀬のブルゾンちえみ的な芸はいらない気がした。こういうのは脚本家の古臭さみたいのを感じる。

あと、松村の上司の藤木直人がなんか、街で男から逃げるようにしていたのは何なのかね。藤木さん、昔の美少年風がおっさん顔に変わるところみたいで、なんか、印象的に違和感を感じた。

あと、久しぶりの香椎由宇の現場復帰。声は昔のままだが、さすがに、緊張気味なのか、ちょっと年齢を感じさせられた。こういうのは、演技が進むうちに治るとは思うが？これから、また作品に出続けるなら、色々と、磨き上げないといけない感じ。

話は、あっちこっちで、倦怠感と、新鮮な恋心がもつれあいながら、さまざまな現在の恋愛を描くということなのだろうが、なかなかパンデミックで疲れた実際の現状ではない舞台のようだ。そういう点で、結局、ドラマの中の話が、夢話になってしまうと、なかなか視聴者はついて行きにくいなと思ったりもした。

でも、広瀬アリスがどこまで主役として魅力を示すかは期待するし、注目の作品ではある。