「院内警察(第4話)」医療ミスの揉み消しを追求し、執刀医に発言させるまで
このドラマ、前回もそうだったが、初動がその回の言いたいことを語るようでなかなか面白い。今回は、桐谷健太が追いかけるコメンテーターの本当の死因を知る医師の、若き時の医療に対する熱き思いみたいなものを出し、今回の主人公にもなる、近藤頌利の印象を強調する形になっている。彼が病院を去る姿に重なって出てくる、桐谷。なかなか格好いい。
で、ドラマはまずは、その疑わしき手術に関わった、前回の主人公、工藤美桜からの聞き取り。おかしいのは、大事な手術記録が消えている件。だが、カルテは残っていて、死因は当たり障りのない、心筋梗塞になっている。
そして、辞めた近藤を追うわけだが、桐谷たちが訪ねた近藤の姿は、昔の姿ではなかった。この姿を印象的に見せるためにも、この回の初動のシークエンスが効いてくる。それに応える、近藤頌利という役者は何者?と思って調べると、舞台中心に活躍していた方らしく、映像関係の仕事はあまりないようだ。前回の西山繭子もそうだが、こういう実力を持った役者をフューチャーしてくるこのドラマ、なかなか感じがいい。もう、どこでも野間口徹が出てくるようなドラマは見たくないのだ(野間口さんは悪くないですが・・。)
あと、近藤の上司であった、周囲から「お茶っこ先生」と呼ばれている山﨑樹範。いつもの役ではあるが、なかなか良いエッセンスになっていました。病院にはこういう先生も確かにいますよね。そして、上司の言うことにはちゃんと従うから使いやすい。最後に上司に裏切られる様の情けなさを出せる役者としては彼がピッタリではあった。
あと、今回で好きなシーンは、桐谷からの手紙をもらった、近藤が今勤める病院の院長が、近藤を東京に戻るように説得するシーン。今回の桐谷の近藤を使って医療ミスを暴こうとする施策は、これが成功しないとできない技でかなり危なっかしい。近藤の心が動かなければ、最後の病院内の医師が全員集まった集会での、医療ミス暴露ができないわけである。そこに桐谷の人を信頼する力が働いていたりするのだろうが、まあこう言うのは、ドラマの世界ですよね。
そして、その施策を動かしたのは、長濱ねるがその院長の論文を読んでいたからだったと言うのは、いい話でしたね。長濱がもう一つ院内交番にしっくりこなかった感じがここで変わってきた。彼女の雰囲気にこの役があってるかどうかは別として、ここから、長濱の活躍も期待できそうです。そう言う意味では、なかなか脚本の進め方は上手い作品だと思います。
これも漫画原作なのですが、原作読みたくなりますものね。そう、ドラマが面白ければ、原作も売れるのですよ。確かに原作者の世界はあるでしょうが、それに固執すると、原作を後から読む場合、あまり面白さを感じない。そう言う意味では、原作者をリスペクトしながらもドラマは別の作品にするのが作り手としては当然の流れだと私は思います。そう、原作者を邪険にするのは違うが、ドラマや映画は独自の作品でなければ作る意味はないと私は思います。(ここで、今回の問題で、私は日本テレビを擁護する気は全くございませんことを注記いたします)
そして、最後の近藤の見解で、この死因は肺塞栓だったと言う結論を述べさせ、その後に執刀医の瀬戸康史に対し振っていく桐谷の姿がなかなかドラマチックでよかったですね。そして、それを受けて立つ瀬戸。さあ、次回、どんな展開になるか、スリリングになってきましたね!