「クロサギ（第6話)」人のつながりが複雑になっていき、ドラマ的には興味深くなってきた

前回、平野の仇である坂東彌十郎が逝き、今回から第二章というところなのだろうが、新しい人物と、その相関関係が複雑になっていき前より面白くなってきた。

まずは、刑事の井ノ脇海が執拗に平野を追うのは、彼もまた詐欺被害者でシロサギが許せないということからだった。このあたりはもっと前に出してもよかったのではないか？そういうバックグラウンドを知って、この間の上海の彼の姿を見たら、また違う感じに見えただろう。そして、そうしていたら、ドラマの作り方も変わっていた感じがする。こういうキャラの本質をどの時点で出すかは結構大事なところだと思う。

そして、その上司である宇野翔平が平野の親が騙された事件に関わっていたこともわかる。平野を追う刑事が2人とも、平野の復讐心に対して理解する部分があるということは、この後半に向けて大事なところ。

今回の事件は、不動産売買と闇サイト詐欺の二本立て。というか、二つのしのぎで食っている詐欺師がカモということ。ここで、詐欺師をやる、味方良介とさとうほなみ。共に最近よく見る顔であるが、2人とも、個性的な役をあてがわれる機会が多いようで、こういう詐欺師役はピッタリと言えばピッタリ。ヒールをしっかり演じられる役者が少なくなっているので、2人にはそれなりにこういう役を極めてもらいたい気もする。

しかし、不動産詐欺に関しては、ちゃんと物件を見にいかないでいるからこうなるわけで、平野はそういう人間性まで見抜いているということなのだろう。そして、闇サイト詐欺については、黒島結菜が正義感で追うものの、結局、平野の手の中に入りながら解決する感じ。まあ、平野と黒島がここから近づいて行くわけなのだろう。とはいえ、闇サイトを使った学生は退学になったわけで、黒島の周囲は何も解決していない。そして、彼女が相談していた教授、時任勇気は、後半の主役でもあるだろう、佐々木蔵之介と親戚のようで、黒島の関係する人間は、みんな詐欺師なようで、この構図は彼女のちむどんどんパワーのような気もしてきた。詐欺師役で竜星涼は出てこないのでしょうか？紅茶豆腐売る役でもなんでもいいから出して欲しいですよね。

それは、冗談として、平野の相談相手は三浦の他には山本耕史だけ。まあ、相談相手と言っても詐欺師だから、本質的には信用できない部分も多いわけで、誰を血祭りに上げるかは三浦友和の匙加減なのか？だいたい、銀行員が堂々と詐欺師だというカラクリは、今の世の中に対する大きな提言なのだろう。そう、ラストに向けて、もっと社会をコテンパンに叩く感じにドラマを構築して欲しいものだと思う。