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「パリピ孔明」三国志に基づくミュージックシーンの未来に関する考察劇

このドラマ、かなり楽しみにしていた。原作はヤングマガジン連載のコミック。アニメも作られていて、私も引き込まれて一気に見た。ということで話は知っているし、かなり面白かったという感想。そして実写ドラマ化というのは、原作の設定の面白さがあってのことだが、結構、チャレンジが多い気がした。確かに実写でもアニメ的な演出ができる時代だから不可能ではないが、あくまでも音楽劇なわけで、センスが問われるところ。その基本的な音楽センスな中に、諸葛孔明なる、三国志の英雄をコラボしなければいけないのだから、結構ハードルは高い。だが、初回を見た限りその疑念は必要なかったようだ。スタッフもキャストもドラマの設定を楽しんでいる感じがしたし、出てくるライブシーンには、そこだけ取り出してみてみたい完成度がある。新しい音楽番組をみてる感さえしたのは、ほぼ、このドラマが成功に向かって走り出したことを表している。

話は、中国の三国時代から、諸葛孔明がその死とともに、ハロウィンの日の渋谷に転生してくる物語。タイムスリップではないところも重要で、彼はそこを地獄だと思ってるし、元の世界に帰りたい感覚はない。そして、スマホから始まり、現代に即座に順応していく凄みを見せる。このデジタルをはじめとした順応性、日本の老人たちに見習ってほしいところ。全ては好奇心と順応性なのだ。天才や英雄には、基本的にそれがあるし、そうなろうと思う人が選ばれし人ではある。

とはいえ、このドラマの中での向井理の孔明の衣装。よくできてるが、重量感がありすぎないか?これから、彼も踊ったりするシーンも出てくると思うのだが、少し心配。でも、向井は思ったほど違和感がなかった。クラブの店長の森山未來は適役ですね。かなりの変わり者だが、三国志オタクにこういう人いそうだし、芝居のキレは流石である。彼をここで踊らない役で使う贅沢さ・・。

で、私がドラマ化にあたって一番危惧したのは、孔明が育てることになる歌手EIKO。こういう役に新人歌手使って売り出すという手もあると思う。多分、スタッフはそういうことも考えたはず。中島美嘉がデビューした時のやり方ね。でも、そういう素材がシンクロしなかったのだろう。だから、新鮮さがあって歌を歌える女優という選択肢の中で、上白石萌歌というキャストは納得がいくものではある。初回は、「タムトラベル」「真夜中のドア」とシティポップ2曲を披露していたが、この選曲は、海外での放送も狙ってのことか?とにかくも、彼女の歌唱がここから勢いついていく演出になってほしいものである。

で、今回フロアの客を孔明にまんまと連れ去られた歌手役の菅原小春は、「いだてん」で人見絹枝を演じたお方。同じく前畑秀子を演じた上白石とはそれ以来の共演か?アスリート役の後はミュージシャン役での共演とは、お二人ともなかなか器用であったりするなと思った。しかし、この、客が出口がわからなくなる術、もう一つ「本当かよ?」と思うのだが、酔っ払うと今一つ方向がわからなくなるみたいなものなのだろうね・・。まあ、面白くはあるが・・。

そんなこんなで、初回はなかなか完成度高かった。とにかく、皆が問題なく孔明を受け入れてしまって、ストーリーがいらないところに阻害されないのがこの話を面白くする肝だと思うのですよね。そこが、うまくできていて、それを視聴者にも違和感なく見せることができているのが、なかなかでした。

さあ、今年最後のクール始まりました。良きドラマがいっぱい出てきてくれることを期待いたします!


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