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「グレイトギフト(第2話)」利権を持ったものが毒も持つ。暴走は止まらない?

犯人がわかったのかと思ったら、そいつは「ギフト」がどんなものなのかも知らない病理医。自分は賢いと思い、犯罪者をゆすったら逆に殺されてしまったラスト。理事長を殺したところからそうだが、「ギフト」は人を暴走させる。これが病院外に出回ったらどうなるか?こんな恐ろしい球菌を考えた黒岩勉、さすがですね。面白い。

全編を通じて、ずーっとサスペンスフルな展開が息を切らさない感じでとても良い。前回の理事長の殺害で、佐々木蔵之介は簡単に理事長に昇進。だが、殺人現場のモニターを見て、警察の尾上松也が、前理事長が亡くなった時に佐々木だけが席を立たなかったことに不信を感じる。そして、遺体は警察に運ばれ解剖確認されることに。そこに無理やり見学すると入り込む反町。反町は元からオドオドして生きていた人なわけで、そういう意味では尾上もまだ不信には思ってないのかもしれない。ただ、その中で反町のオドオドは続いているわけで、いつメンタル的に潰されるかというのが見ている方に感じられるのが、もっともサスペンスフルだったりもする。

そう、基本、このドラマは反町の心の一人称みたいな感じで進められているから、視聴者が反町の心の視点でドラマを見る感じになる。だから、反町を教授にすると佐々木に言われる時も、自分が取り込まれていくように見ているものを感じさせたりもする。その辺りも脚本の妙なのだろう。

そして、前回から今回にかけて送られてきた脅迫状の差出人は病理医の盛山晋太郎だったわけで、彼は反町が球菌を培養していて、それが理事長を殺したことを察知し、佐々木をゆすろうとしただけ。ある意味、これからもこの「ギフト」を察知したものは皆殺される流れなのか?ドラマの相関図の中の人物が一人一人殺められていくと、「次は誰か?」という勘ぐりを入れたくなってくる。

今回の最後に、看護師長の片山萌美と関係がある津田健次郎が、反町の行動に対して不信を感じる。次は彼か?とも思うが、そんなに簡単でもないか・・。

今、「ギフト」の存在を知ってるのは、あとは、その培養を手伝うことになった波瑠だけ。彼女も、いつもながらに色香の薄い病理医を淡々と演じているが、だからこそ怪しさが出ているのがいい。彼女は反町の敵か味方か?

反町は、元総理が殺された日の夜に病院を訪問した愛人だった倉科カナを怪しいと思いクラブに。彼女に遺産が入ることを確認しただけで、怪しさは変わらないまま。

反町のこういう場所に免疫がない姿の演技もいいですね。そして、倉科のクラブのママ姿いいです。どちらかというとスタイルの割に童顔の彼女ですが、実に雰囲気がいい。こんなママのいる店なら通いたい。彼女もいい歳になったということか?これから、こういう役増えるのでは?しかし、肩出したドレス、セクシーでした。

とにかくも、2回目にして、「ギフト」を持ち込んだ犯人の影は見えず。ドラマの結果としては、それを持ち込んだことで大きな力が動いてるとも感じられる。佐々木蔵之介は、どんどん図に乗っていくのでしょうね。見ている者は、反町と一緒に、いつ殺されるか?というオドオドした気分で見られることでアドレナリンが出てくるようなサスペンスである。今期のドラマの中で、ある意味ドラマの構造の面白さは一番かもしれない。

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