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「劇場版トリリオンゲーム」カジノとマネーロンダリングを結びつけるのは良い視点だが、爽快感は今ひとつ
正直、私は目黒蓮はもっとスター性を発揮するべきだと思っている。タッパもあるし、不良性と清潔感のバランスも良い。キムタクみたいな中途半端さを感じないのがいい。そう、時代が違えば裕次郎みたいにもなれただろう。この映画は東宝配給だが、裕次郎というよりも東宝の俳優の香りではありますよね。
とは言え、ここではカジノを作る話。岡山沖の島にカジノを作ろうとする感じは新東宝映画的なものにもなりうるとも思った。そして、今、万博の後に作られようとしているカジノ批判みたいなものも欲しいなと思いながら観に行った。
テレビシリーズは、目黒蓮の破天荒な行動力VS今田美桜の華麗なるファッション対決みたいなとことはあったが、今回はその点の対決色みたいのがもう一つ弱い。相手が、カジノ王の石橋凌一人というところでもう一つドラマにスピード感というか切れ味が足りない気はした。(いつものように、この後ネタバレありです。悪しからず)
映画の中でカジノは結構、簡単に作れてしまう。それも、敵であるはずの石橋と手を組んでという流れ。島の住民の反対もあるが、これは日本中の土建屋さんの力を借りて一気に解決する。そう、こういう判断をすれば、能登の地震からの復興などすぐできるのだ。そういう、大号令をかけられる政治家がいないということでしょうね。首相になる人物にその力がない。だから、いろんなことがちゃんといかないが、小池百合子みたいに勝手に民間の企業と組んで東京の金を使っていらんことばっかりやってる盗人みたいのもいる。とにかくも、政治家がトリリオンゲームできないうちは日本は良くはならない気がする。そう、このドラマ、金の額が大きいので見ていて気持ちいのだ。こういう感じの映画をいっぱい作って、それが話題になれば景気も上がりますよ。だいたい、昨今のキネ旬のベストワン作品なんて貧乏くさいのばっかりでしょ。貧乏人の底力みたいのが見えればまだいいのだが、そんな感じでもない。本当に、もっと金まみれの映画作ろうぜ!!
話がそれたが、CGも使えるので、なかなか豪華というか趣味の悪いカジノが作られる。ただ、ホテルとかもあるのだろうが、もっと可愛いお姉ちゃんがいっぱいいるようなクラブやプールやそういう趣味の悪いリゾート風景が見たかったかもしれない。やはり、人を使うのは金がかかるのでしょうね。そして、そういう男の遊園地見たいのは批判されるだけでしょうしね・・。
で、この話で見ていて面白いのは、誰が味方で誰が敵かということ。結果的には目黒が全て取り込んで石橋の悪巧みを暴く形になるわけだが、その辺りも脚本的にはちょっと分かりにくいし、面白みにかける。
最後の石橋と目黒のポーカー勝負も、シシドカフカがどっちにつくのか?というところが重要で、そういう点で目黒は未来を勝手に決めているのは危ういですよね。そんな最中に佐野勇斗は別室でいろいろとプログラムを書き換えてるわけだが、それがカジノで大当たりが一気に出て騒がしくなるというのも、あまり意外性がなくて面白みにかける。
あと、今田美桜の使い方もいまいち。彼女の見せ場は目黒とのキスシーンだけでしたね。まあ、最後に國村隼まで動かしたのは彼女のおかげなのだが、もっと、カジノ計画の中に彼女を突っ込んで欲しかった気はする。だが、綺麗だったので許しますが・・。
で、カジノでマネーロンダリングしていて、その上、金塊の横流しなどやっていたことがバレ地位が落ちる石橋だが、確かにカジノをマネロンの場にはできるよね。大阪の吉村はこの辺どう考えてるんだろう。というか、万博は間違いなく失敗と言われるだろうから、その後のカジノがどうなるのかな。まあ、万博の今の趣味の悪さを見れば、カジノも趣味が悪いのができるでしょうね。本当に、そんなのでは景気は良くならないし、そこで政治資金洗浄するくらいのこと考えてるんじゃないの?
とはいえ、そんなことに目黒も今田も関係ない。このドラマ、キャラはみんな濃いから好きなんだけど、映画版にしたらいまいちでしたね。そして、これはドラマ見てない人はキャラがよく分かりませんでしたよね。そういう点が失敗。吉川晃司なんてもったいないよね。
で、次は宇宙開発という風呂敷広げて、次回作はテレビスペシャルくらいの流れかな。とはいえ、今田は朝ドラで忙しくなるし、また2年くらい経ってからですかね。それなりに期待はしますが、もっと脚本練って欲しいな。