「シッコウ!!〜犬と私と執行官〜(第2話)」執行官という地味な仕事をベースにいかに世の中を描くか?
織田裕二が少し疲れた男性役をやっているのが微笑ましくもあり、時間の経過を思い知らされる。このドラマでは、織田に恋愛感情など持つ話は起きないだろうし、この「執行官」という役がヒーローであるわけでもなく、なんか不思議なドラマ空間になっている。
そう、織田裕二といえば「踊る大捜査線」の青島刑事だ。そして、実際の織田裕二はその師である、いかりや長介が演じた和久刑事の年齢に近付いているわけだ。そう考えると、若い刑事を指導する青島刑事という姿がみたい気もする。そう、そんなことを考えながら見ていると楽しいのがこのドラマでもある。
若い刑事ではないが、補助官が伊藤沙莉。彼女の存在感がドラマをなんとなく回している。そして、彼女の愛らしさは、彼女でしか出せない魅力だったりするのを再確認した次第。まあ、戯れる犬と同じような部類のものを感じる。必要ないようで、なくてはならないみたいな・・。(褒めてます)
で、2回目のお話は、別れてコンビ解消したYouTuberの裁判で申し渡された賠償金の請求執行。前回は、家の退去問題で、こういうことするんだと思ったが、ここではある意味、金貸しの取立てみたいなことをやっている。そう、執行官と言っても、その仕事は意外に多岐に渡ってるということであり、法律を執行する上でこういう仕事が必要であるということがわかってくる。この話、公務員の闇金仕事みたいな話だ。
そして、出てくるのは金は持っているが、まともに払う気がないというか、執行官を馬鹿にしている男。金を小銭で払うとか言ったり、夜中に払うから取りにこいなどという。司法に対して逆らうような人は、こういう面倒臭い人がいたりもするのだろう。そこに公権としていかに立ち振る舞うかというのは、警察以上に面倒臭い。風間公親みたいな性格では、絶対務まらない仕事であることが見えてくる。
今回の話は、別れた相方ともう一度会いたかった男が、執行官を使ってそれを果たそうとしたみたいな話だったのだが、これ、ドラマにするには地味な話だし、よくここまで膨らましたなとは思う。なかなか、脚本家、苦労してますよね。最後に、犬を使って二人を再会させるのは伊藤沙莉であり、そういう意味では、やはり伊藤が主役なのだろう。そして、2回目で、彼女が執行官の仕事が嫌いではないかもしれないと思うようになったところに引っ張ってきたのは、なかなか見事な構成。
とにかくも、織田と伊藤の凸凹コンビが誕生して、そこに交わる中島健人の柔らかいアタリも悪くない。地味な仕事をどこまで面白く描いて、社会風刺的なものをいかに詰め込むか?がこれからの課題ですな。でも、なかなか面白いですよ!
この記事が参加している募集
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?