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「フェルマーの料理(第5話)」人を越えるものづくりをするということと時代の価値観の変化

先週の小芝風花のクビの話と、小芝の母が店を取られたという話の続きから。そして、その小芝を料理長に迎えて「K」の店を買い取ろうとする、久々の及川光博。やはり、彼にはこういう役がよく似合うし、そういう意味では俳優として独自の空気感を持っているということだろう。ある意味貴重な俳優。

そんな中で、小芝を辞めさせたくない高橋文哉は小芝の母である釈由美子を訪ねる。このシークエンスの前に東京にやってきた父(宇梶剛士)を出したのは、親子関係というものを強調したかったということだろうが、それよりも、そこに友人として呼ばれた、白石聖、久保田紗友、板垣李光人の3人が並んだところが面白かった。そして、久保田が友人かと宇梶に聞かれ、仲間だという発言をする。この意見は結構大事なような気がする。高橋の周りにいる料理人たちは、同じ道を志す仲間であり、それが、2024年の荒廃した感じの「K」を救うことになる気もするからだ・・。で、ここで、今回のメインの料理になる「フレンチトースト」の話が始まる。こういう話の投げかけ方は上手い脚本だと思う。

そして、高橋は釈と仔羊の料理を作り出す。帰ってきた小芝は面食らうが、一緒に食事の席に。そこで、釈を料理人として追い込んだのが及川だということがわかる。そして、志尊淳が店を買い取る条件に小柴を働かせることも入っていた。そんな話の後で、釈は自分の料理と小芝の料理がどちらが美味しいかと聴く。そして、明確に小芝だという。そんな流れの中で志尊のところに「もう一度働きたい」と言いにいく小芝。そして、高橋と特別な客のために特別な料理を作れという。それが試験なわけだ・・。

そして、高橋は、フレンチトーストが元は古くなったパンを食べる方法として出来上がり、それが今、スイーツになってることに着目する。時代が変われば食は進化する。確かにその進化の速度的なものが時代の変化とともに数学的変化をするというのはわかる気もするが、今回は少し無理があったような・・。でも、最後に、仔羊の料理の付け合わせとしてフレンチトーストの進化系を作るというのは面白かった。そう、酢豚にパインアップルだって、昔は絶対にありえなかったものが、今は論議になったりする。この先、その味覚が否定されない時代も来るかもしれないのだ。(少し違うか?)でも、その味の新しさに負けてしまう及川光博は、舌だけはちゃんとしているようだ。そして、小芝の騒乱は終わり、「K」は進化するようにも見えるが、そんな単純な話ではないのは、出てくる2024年の風景でわかる。ここから後半どうなるか、面白くはなってきた。

で、小芝のお母さん役の釈由美子、この間は「ブラックファミリア」で盗撮で儲けるクソ女をやっていましたが、今回は綺麗な料理人でしたね。ある意味、バイプレイヤーとして幅広く演じられる女優ということでしょうか?他の女優さんにはない美しさみたいなものがある気がするので、これからも活躍していただきたいものです。なるべく綺麗な役でね。

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